場合によっては家で仕事をすることもありますが、息子がいるとなかなか捗りません…

アメリカは、産休や育休に関しては驚くほど後進国で、国全体で統一されているのは、12週間の無給産休のみ。ようやく2018年からニューヨークでは有給の育休が義務付けされましたが、それでもたったの8週間で、育休先進国の北欧はおろか、日本でさえも比較対象にならないほどです。

Spotifyのアメリカ支社に最近就職した友人は、さすがスウェーデンの会社とあって、6ヶ月の有給育休が保証されているとのことで、その話を聞いたときに一緒にいた友人たちと声を揃えて「今すぐ子供作りなさい!」と冗談を言ったほどでした。

アメリカは、ポリティカル・コレクトネスに非常に敏感な国なので、妊娠出産で会社での立場が弱くなったり、復帰後不当に扱われることなどは滅多にありませんが、例外も聞いたことがあります。

別の友人は、企業でディレクターレベルのポジションで働いていましたが、妊娠を報告した直後に、彼女の業績不振を理由に退職を迫られました。それまで業績不振なんて聞いたこともなかったので、妊娠が原因なのはあからさまでした。やりがいを持って仕事をしてきた会社にそんな扱いをされた彼女にとって、そのまま会社に残るというオプションは考えられず、不本意ながら退職することに。その際、不当に扱われたとして弁護士を雇って訴え、全額の退職金とさらに示談金を得ることになったのです。

私自身も、3ヶ月で仕事に復帰しました。息子が1歳8ヶ月になるまでの約1年半は、フルタイムのナニーさんを雇って仕事をし、そして1歳8ヶ月からは今も通っているプリスクールに入学しました。

仕事と育児の両立は大変だと言いますが、私にとっては育児だけをする方が何倍も大変で、そうしてる女性を心底尊敬しています。子供を人や幼稚園に預けることとで、子供の大事な成長過程を見れないのが嫌だという方も多くいますが、私にはその感覚もなく、母性が足りないのでは?と少し心配になってしまうほどです。

確かに両立は簡単ではありません。子供ができる前は、自分の生活で十分大変なのに赤ちゃんができたらどんな生活になってしまうのだろう?と想像もつきませんでした。

子供ができて確実に変わったのは、時間の使い方。1日の時間配分ははっきり決まっていて、無駄な時間はひと時もありません。ナニーさんを雇っていたときは、それまで徒歩で通勤していた時間までもが惜しく、自転車通勤に変えたほどでした。

現在は、プリスクールが延長保育も含めて、8:30am-5pm。出産前に比べると終業時間が早めですが、時間が限られている分、より集中して仕事をするようになり、より効率的な働き方になりました。逆を言えば、それまでは無駄な時間も多かったということになり、反省しています。

仕事を家に持ち帰ることは緊急でない限りしておらず、その境界線はクリアにしています。そうならないように仕事のスケジュールも組んでいます。平日は家族と過ごす時間よりも仕事の時間の方が長いですが、こちらも家族との時間が限られている分、一緒に過ごす時間を大切にするよう心がけています。ずっと一緒にいるとなかなか難しいことだと思います。

以前も触れましたが、息子が生まれたばかりの時は、子育てや慣れない環境がとても辛く、そのストレスを息子も感じ取って悪循環になり、もちろんにも優しくできず、完全に負のスパイラルに陥っていました。自分が幸せでないと周りを幸せにはできない、とよく言いますが、まさその通りだと痛感しました。

とにかく今は、ストレスを溜めず、心が満たされた状態で余裕を持つことを心がけています。時間が限られている中でも、自分の趣味の時間などの自分のための時間も大事にし、夫とも週1回はデートをし、忙しくて大変でヘトヘトになっても、「こんなに頑張った自分偉い!」と思うと、充実した気持ちになれるのです。