今日は、HI(NY) designで最近終わらせたばかりのプロジェクトを紹介します。
クライアントは、息子が通うプリスクール。年に1度、春に行われるファンドレイジング（資金調達）パーティーをプロモートするためのビジュアル全般のご依頼でした。
まだ新しい学校なので、今年のファンドレイジングが4度目だったのですが、過去3回はデザイン会社を雇っていなかったとのことで、プロモーショナルなアイテムはほとんどなく、唯一の招待状もそれはひどい仕上がりでした。私も去年その招待状を受け取りましたが、とても何千万円もの資金を集めるパーティーの招待状とは思えないひどいものでした。今年はその反省からか、かなり早い段階でご依頼をいただきました。
まずは、実行委員会とのキックオフミーティング。過去のファンドレイジングでは、そもそもコンセプトが何もなかったので、コンセプト作りから始めることを提案。これが比較的簡単に決まり、というのもこの時点で既に会場は抑えてあり、その会場がDream Hotelだったので、「Dream」、つまり「夢」をテーマにしようということになりました。プリスクールであることを踏まえ、タグラインを「Dream a Little Dream」に決定しました。
そしてデザインは、招待状やポスター、ウェブバナーなどアイテムがたくさんあったので、まずはブランディングをし、スタイルガイドを作成することから始めました。
委員会からの要望は以下の通り：
- コンセプトは「夢」
- 子供も喜ぶビジュアルでありつつ、デザイン性の高い洗練された雰囲気がほしい
- より多く資金にあてるため、印刷費用は抑えたいが、高級感は欲しいので、特殊印刷ではなくデザインで表現してほしい
結果、何度かのやり取りを重ねた上で完成したのが以下のブランディングとコラテラルです。
子供が夢を見ていて、その夢が夜空に飛び出している様子ををシンメトリーにイラストにしました。学校のブランドカラーが紺色なのでそのまま利用して夜空の色に。電車やウサギなど、子供らしさのあるモチーフを使っていますが、全体の色味を落ち着いた印象にすることによって、子供っぽくなりすぎないようにしています。
色々なモチーフが一体となったイラストですが、前述の通りデザインアイテムの種類が多かったため、それぞれに合わせてデザインしやすいよう、モチーフは個別で使用できるようにしました。
また、印刷費用を抑えるために、オフセット印刷（版を作って印刷する方法。クオリティの高い仕上がり。）ではなくデジタル［オンデマンド］印刷（版を作らずデータをそのまま印刷する方法）でも綺麗に印刷できるよう、できるだけ濃い色を使うようにしました。デジタル印刷は薄い色の再現が難しいからです。
そしてパーティーは先週無事行われました。デザインも非常に好評で、大成功に終わりました。
