Giorgioのこだわり【Church’sの靴】

Giorgioのこだわりのアイテムとして、彼が何十年も身につけているアレクサンドロス大王の指輪を以前紹介しました。今回は、彼が大事にしている靴を紹介しようと思います。

メーカーは、正統派の英国靴を作り続けているChurch’s。日本にも店舗がある、人気の老舗メーカーです。

Church’sは、トーマス・チャーチと妻、そして彼らの2人の息子によって、靴作りの聖地と呼ばれるノーサンプトンで1873年に創業。今もなお昔からの伝統的な製法を続けている、生粋の英国靴ブランドです。

Giorgioが最初にChurch’sの靴を購入したのは、遡ること80年代。バケーションでロンドンを訪れたときです。Dean&Delucaのパートナー、Deanさんが愛用していたのがChurch’sで、彼が履いていたスエードの靴があまりにハンサムだったので、どうしても同じ靴が欲しく、Church’sへ向かったのでした。全く同じスタイル、同じ色のものを手に入れたGiorgioは大満足。DeanとDelucaがお揃いの靴を履いていたと思うとなんだか少し可笑しいですが、Giorgioはその後、その靴を履き潰したといいます。グッドイヤーウェルト製法の靴は、履けば履くほど足に馴染み、他には変えられない特別な存在になったのだそうです。

見るからに上質なスエード。深みのある絶妙なブラウン。そして何よりもクラシックなシェイプが、彼をフォーマルに、紳士にしてくれるのだとか。

ソールを張り替えるなどしてまだまだ履くことができる靴でしたが、あまりに気に入ったのでもう1足買うことにしたのでした。ところが、そのスタイル自体が製造中止になったのか、はたまたニューヨーク店では取り扱っていなかったのか、なかなか巡り会えることができず、ようやく見つけることができたのは2000年。同じロンドンの店舗でした。「Adrian」という名前がつけられたこのスタイル、20年経っても変わらないクラシックな風貌に心踊らせましたが、シンプルがゆえに僅かな違いにも気づくことに。色のリッチさと、つま先の形でした。1代目と比べてほんの僅か丸みを帯びたシェイプが、この靴を少しカジュアルにさせてしまっていたのでした。

それでも美しいことには変わりなく、大事に履いていました。が、彼が1代目の完璧さを求めてしまっているのは、私の目にはあからさまでした。

2012年、私とGiorgioがヨーロッパへ旅行した際、ロンドンにも寄りました。その時の私の行きたいリストの一番上にあったのが、Church’s。もちろん、完璧な3代目を見つけるためです。

ありました!

「Westbury」という名前に変えたその靴は、首を長くして私たちのことを待っていたようにさえ見えました。Giorgioの足にも完璧にフィット。私は迷わずその靴を購入し、プレゼントしたのでした。私には高額な出費でしたが、大喜びする彼を見て、私も幸せでした。

ニューヨークに戻って数日後、靴を履いた足元をじっと見つめるGiorgioに気づいた私。嫌な予感しかしません。

 

「・・・やっぱりシェイプが違う」

 

そのときはじまった4代目探しは、今もなお継続中なのです。

左から順に、1代目、2代目、3代目