世界中で廃止運動が広まっている使い捨てプラスチックの中でも、特にその動きが注目されているのがストロー。なぜストローだけ?という声がよく聞かれますが、もちろん問題なのはストローだけではなく、プラスチックごみ全体の問題です。その中でストローばかりが悪者扱いされるのは、バイラルになったウミガメの動画がきっかけであったり、他のプラスチックと比べてポイ捨てが多いからであったり、単に取り組みやすいからであったり、理由はいろいろあると言われています。企業イメージアップのためだけの偽善という声もあります。

イギリスなどのマクドナルドで導入された紙のストローが、強度を高めるために分厚くなりすぎてリサイクルできなくなってしまったという典型的なグリーンウォッシング(見せかけだけの環境配慮)で先月批判を浴びるなど、話題が絶えないストロー。アメリカでは、すでに盛り上がりを見せている2020年大統領選でのトピックの1つにもなっており、地球環境問題を軽視するトランプ大統領が意見をすればするほど、リベラル派のエコ意識が高くなっていたりもします。

今回は、私の行動範囲のみではありますがコーヒーショップでのストローに関しての取り組みに注目してみました。プラスチックストローの代わりとして5種類の代用方法がありました。

1. ストローがいらない新タイプの蓋

一番多くみられるのがこのタイプ。私が実際行くコーヒーショップで見かけたのは、La ColombeLaughing Man CoffeeJack’s Stir Brew CoffeeMamanなど。


 

2. 生分解性/堆肥化可能ストロー

プラスチックでもbiodegradable、つまりある一定期間を経ると生物分解されるプラスチックや、堆肥化するcompostableのプラスチックを使ったストローです。Sawada CoffeeThink CoffeeÉpicerie Bouludなどが使っていました。ただこれらのストローも、適切な処理をしないと分解されず、普通のゴミとして扱われてしまうと普通のプラスチックと同じ最後を迎えるとのこと。それでは十分ではないということで、Blue Bottle Coffeeではcompostableストローから紙のストローに切り替えています。

なお、Think Coffeeは、ニューヨークで初めてHuskeeSwapを取り入れたコーヒーショップ。HuskeeSwapとは、コーヒー豆の殻を再利用して作るコーヒーカップ、Huskeeを使ったプログラムで、他のマイボトル/マイカップと違う点は、カップを他の人たちとシェアをするという点。最初はカップを購入し、次回は使ったカップを持って行くと、新しいカップにコーヒーを注いでくれるという、永遠に交換していくシステムです。

3. 紙ストロー

前述の通り、compostableストローから紙のストローに切り替えたのがBlue Bottle Coffee。プラスチックの代替品としてまず思い浮かぶのが紙ストローですが、意外と使っているところはあまり見かけませんでした。なお、紙ストローを使用しているものの、その1本1本がプラスチックで包装されているものを使用しているという、まさにグリーンウォッシングなカフェもありました。


 

4. 竹ストロー

Matchafulでは竹ストローを使用しており、次回ストローを持って行くとドリンク代から$0.40が引かれるシステムになっています。


 

5. 干し草/藁ストロー

一番変わったストローが、Hayストロー、つまり干し草/藁を使ったものです。Strawとは本来「わら」という意味ですから、意味的に一番しっくりくるのはこのストローかもしれません。これを使っているのはUrban Backyardで、普段行くコーヒーショップの中で最も環境に配慮しているのがここでした。BYOC(Bring Your Own Cup=マイカップを持って行くこと)での割引はどこも取り入れていますが、ここは15%引きと他よりも割引率が非常に高く、店内では竹ストローやビーワックスラップなどのエコグッズがたくさん販売されています。

 

イメージアップのための偽善であれ、政策に対する抗議行動であれ、動機や理由は何でもいいと思うのです。私もまだまだ努力が足りませんが、無理なく自分なりにできるところから気をつけるように心がけています。