ニューヨークの人は、外食ばかりしているイメージが強いですが、ディナーパーティー(ホームパーティー)も実は大好きです。我が家もよく開きますし、逆に招待していただくことも頻繁にあります。外で集まるのとは違って、招待する側にとってもされる側にとっても特別感がありますし、インティメイトな雰囲気で食事や会話を楽しめるのが醍醐味です。
特にこれからの季節はディナーパーティーが増える時期。デルーカ家流のディナーパーティーのコツを紹介します。
1. メニューを決める
あまりたくさんの種類を作るのは大変ですし、1つ1つのお料理の印象も薄れてしまうので、我が家では、1)アンティパスト、2)前菜、3)メイン、4)デザート、の4つに絞ることがほとんどです。多くても5コース。
アンティパストは、テーブルに着席する前に、ウェルカムドリンクと一緒に出すおつまみ。以前紹介したブロッコリーラーブ (菜の花)のクロスティーニなど、手で摘んで食べれるものを出します。チーズとフルーツの盛り合わせなどでもOK。
前菜は、野菜のタルトやサラダなど、野菜を中心としたもの。
メインは、肉や魚ですが、煮込み系など、前もって作り置きできるものが多いです。
デザートは、私自身お菓子作りが好きなので、前もってお菓子を焼いておくことが多いですが、時間のないときはフルーツを出すだけのこともあります。
メニューを決める際、ゲストにベジタリアンやアレルギー持ちの人がいないか確認しておくのも大事なポイントです。
なお、我が家のディーナーパーティーは、多くても8人までと決めています。それ以上になると準備が大変すぎて、キッチンにいる時間も長くなり、そうなるとゲストも気を遣ってしまいます。また、人数が多いとインティメイトな雰囲気ではなくなってしまい、会話も割れます。全員が全員と満遍なくちゃんとした会話ができるためには、8人までがベストなのです。
メニューを決める際に、もう1つ大事なこと。ゲストの名前、日にち、メニュー内容は、かならずメモに残して保存しておきます。そうすることによって、また同じゲストをパーティーに呼ぶ際に、前回と同じ料理を出してしまうようなミスを回避できます。
2. TO DOリストを時間別に
ディナーパーティーをする上で、TO DOリストはマスト。そして私はさらにそのリストを、1)前日にすること、2)当日1時間前までにすること、3)当日30分前にすること、という具合に、時間別に分けます。そうすることによって効率良く進めることができ、やり残してしまって直前に慌てることもありません。
3. テーブルセッティングは前日に
当日は何かとバタバタするので、前日までにできることはなるべく済ませておきます。テーブルセッティングもその1つ。セッティングした上で足りないものがあれば買いに行く時間もあります。
4. テーブルセッティングのコツ
生花のセンターピースがあればもちろんテーブルに特別感と華やかさが出ます。カジュアルな雰囲気を作るためにも、お花屋さんでちゃんとしたセンターピースを作ってもらうよりも、シンプルにお花だけを買ってきて花瓶に入れるだけで大丈夫です。花瓶がなければ、グラスや何かの空き瓶でもOK。
お花の予算がなければ、葉っぱやハーブなどをテーブルの上に自然に並べるだけでも雰囲気が出ます。
葉っぱもハーブもなければ、フルーツをボウルに盛ってセンターピースにしてもいいし、フルーツをそのままテーブルに並べるのもOKです。
そしてディナーパーティーには、ろうそくはマスト。でももちろん、間違っても香りつきのキャンドルは使わないように。お料理が台無しです。
お皿やグラス、カトラリーは、全てが全て完璧に揃っていなくて大丈夫。自分のお気に入りのお皿が人数分あるとは限りません。そんなことは気にせず、自分の好きなアイテムを’ミックスアンドマッチ’させることによって、個性の光るテーブルに仕上がります。そしてディナーパーティーでは、絶対に使い捨てのお皿やプラスチックのグラス、紙ナプキンは使いません。
その他細かい点だと、ペッパーミルや塩もテーブルに出しておくことを忘れないように。塩は、我が家では小さい小皿に入れて出します。
テーブルは、お花やグラスなどの「高さ」に全体的に変化をつけると、より粋で賑やかな雰囲気が出ます。例えばろうそくも、ピラーキャンドルとテイパーキャンドルを混ぜることで、バリエーションが出せます。この時、対面に座る人の顔が見えなくなるほど高さをつけてしまわないように注意。
5. 座席の指定とプレースカード
ホストを含めて4人までのディナーパーティーであれば必要ありませんが、それ以上になる場合は、やはりホストが前もって座席を決めておくのがベターです。そしてその流れをスムースにするには、やはりプレースカードを。プレースカードを使うとかしこまった雰囲気になってしまいがちですが、それがないために少しでも微妙な空気になるくらいなら、用意しておくに越したことはありません。
6. 買い物は前日に。料理開始は予定より早めに。
2の時間別TO DOリストの延長になりますが、買い物は前日に済ませておきます。そして料理も、煮込み系やデザートの生地など、前日に済ませておけるものはできるだけ前日に。当日の料理も、大体間に合うだろうと思う時間よりも早めに開始。途中にハプニングがあっても焦らず対応できるくらいの余裕を持たせておきます。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]