アメリカ人であれば誰もが食べたことがあり、そしてファンも非常に多いお菓子の一つに、フィグ・ニュートン(Fig Newtons)があります。ナビスコ社が作るそのお菓子は、ペースト状のイチジクが中に入ったロールクッキーで、正式に商品化されたのはなんと1891年、130年近くも前です。アメリカ人にとってのフィグ・ニュートンは日本人にとってどのお菓子に当てはまるだろう…と考えましたが、思い浮かんだのはポッキー(1966年)やルマンド(1974年)。とにかく知らない人はいない、定番のお菓子です。
Giorgioも実は大ファンで、それを聞いた時には正直驚きました。スーパーで売っているようなアメリカのお菓子に対して、失礼ながら私は偏見を持っていたため、まさかGiorgioが好きなお菓子が存在するとは思いもしませんでした。私もパッケージを見たことはありましたが食べたことはなかったので、半信半疑のまま試してみることに。正直、可もなく不可もなく、といった印象でした。が、これが不思議なことに、食べるうちに、イチジクの甘みとしっとりとした食感にみるみるとはまってしまい、気づけば私もファンの1人に。
けれど市販のお菓子ですから、もちろん添加物が使用されており、糖分も必要以上。これは自分で作らないわけにはいかないと思い、試行錯誤を重ね、そしてようやく納得のいく手作りフィグ・ニュートンレシピが出来上がりました。もちろんGiorgioは、「市販のものはもう一生食べない」と大喜びしています。焼くのは私ですが…。
小麦粉の半分は全粒粉だったり、ドライいちじくの甘みがあるので砂糖も控えめだったりと、焼き菓子にしてはヘルシーな方で、息子にも安心してあげています。
フィグ・ニュートンの一番の特徴といえばその独特なしっとり感。それを出すために、クッキーを焼く前ではなく焼きあがってから熱いうちにカットし、すぐに密閉保存容器にいれます。そうすることで、クッキーの熱気でしっとりし、そして容器の中で完全に冷めてからいただきます。このまま常温で軽く1週間はもつので、手土産などにも便利。アメリカ人に出すと必ず喜ばれる鉄板お菓子です。
手作りフィグ・ニュートン(いちじくロールクッキー)
INGREDIENTS
生地
- 1/4 c all-purpose flour|薄力粉または中力粉 1/4カップ
- 1/4 c whole wheat flour|全粒粉 1/4カップ
- 1/2 tsp. baking powder|ベーキングパウダー 小さじ1/2
- 1/4 tsp. salt|塩 小さじ1/4
- 42 g unsalted butter|無塩バター 42g
- 1 1/2 tbsp. brown sugar, packed|ブラウンシュガー 大さじ1 1/2
- 1 egg yolk|卵黄 1個
- 1 tbsp. honey|はちみつ 大さじ1
- 1/2 tsp. vanilla extract|バニラエッセンス 小さじ1/2
- 1/2 tsp. orange zest|オレンジゼスト 小さじ1/2
- 1 tsp. vodka|ウォッカ 小さじ1
フィリング
- 90 g dried black mission figs|ドライいちじく 90g
- 1/4 c orange juice|オレンジジュース 1/4カップ
INSTRUCTIONS
下準備
- 粉物(小麦粉、ベーキングパウダー、塩)をふるう
- バターを室温に戻しておく
- 黒砂糖が塊や顆粒状になっている場合、指で潰しておく
- ワックスペーパーの裏側に、25cm x 9cm(10” x 3.5”)の長方形の印をつけておく
- 絞り袋の先端をカットしておく
- オーブンを190℃(375°F)に予熱しておく
生地を作成
- 室温に戻したバターと黒砂糖を、ハンドミキサーでしっかり混ぜる。
- 卵黄を足してさらに混ぜる。
- はちみつ、バニラエッセンス、オレンジゼスト、ウォッカを足してさらに混ぜる。
- スケッパーまたはヘラに持ち替えて、粉物ミックスを足して切るように混ぜる。
- しっとりと全体がまとまったら、円盤にしてラップをし、1時間冷蔵庫で冷やす。
その間にフィリング作成
- ドライいちじくを細かく切り、オレンジジュースと合わせて、10分蓋をして弱火で煮る。
- いちじくが柔らかくなったら、フードプロセッサーでダマがなくなるまでよく混ぜる。
- 絞り袋に詰め、冷やしておく。
クッキーをロールして焼くまで
- 25cm x 9cmの長方形に印をつけておいたワックスペーパーを敷いて、生地を印まで伸ばす。
- 上下の端、つまり長辺の端を切り取っておく。
- 生地の上下のセンターより気持ち上くらいに、フィリングを絞り出す。棒状のフィリングを3本分絞り出す。
- 巻き寿司を巻くように、ワックスペーパーのまま巻く。
- 巻けたら、生地の重なった部分を下にし、上から軽く手で押さえて軽く平状にする。
- 余分な小麦粉をはらい、オーブンシートを敷いた天板に移し、冷凍庫で10分冷やす。
- 190℃(375°F)に予熱したオーブンでまず15分焼き、175℃(350°F)に下げてさらに5分焼く。
仕上げ
- オーブンから取り出し、熱いうちに10等分に切り、ペーパータオルを敷いた密閉容器に入れ、常温になってからいただく。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]
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