私たちのアパートは、Giorgioが約20年前に購入したロフトで、私が住み始めてからも既に10年くらいが経ちます。建物自体は100年以上前に建てられたもので、元々ウェアハウスだったため、高い天井とキャストアイアンの窓枠が特徴的な、いわゆるニューヨークの典型的なロフトスタイルです。

ハドソンスクエアと呼ばれるこのエリアは、ソーホー、ウェストヴィレッジ、トライベッカの間に挟まれたエリアで、ハドソンスクエアという名前はニューヨーカーの間でも知らない人がまだ多く、一般的にはわかりやすくソーホーまたはトライベッカの一部と認識されています。

今となっては高級コンドミニアムやホテルが建ち並ぶエリアになりましたが、Giorgioが購入した20年前頃はまだまだ未開発で、人通りも少なかったとのこと。もちろんアパートも高騰前でしたので、当時の破格を聞いて私も耳を疑ったほどです。

当時ビルは空き家状態で、ホームレスが数名暮らしていたのだそう。たかが20年前に、そんな掘り出し物的なビルがマンハッタンにまだまだ残っていただなんて、信じがたい話です。

購入したアパートを、Giorgioは自らのデザインで改装をし、ほぼ今のベースが出来上がりました。

下の写真はELLE DECOR UKRUM用に撮影された、Heidi Lerkenfeldtによる写真です。

Photo by Heidi Lerkenfeldt

現在販売中の、Hilary RobertsonによるMonochrome Homeというインテリア本にも掲載されています。

私たちは、住む環境にとてもこだわりを持っていて、環境そのものがインスピレーションになるように心がけています。常日頃から、どのようにすればより良くなるのかを2人で話し合い、意見が合えば家具の位置や方向を変えたり、何か新しいものに買い換えたほうがいいと意見が合えば、新しい家具を見つけるまでに何ヶ月も費やします。美しい家具は値段が安いものとは限りませんし、私たちも限られた予算があるので、場合によってはその入れ替える家具を売却することも少なくありません。

赤ちゃんフレンドリーにするために

コンクリートの床、同じくコンクリートでフロアの真ん中に剥き出しになった階段、仕切りのないオープンスペース、壊れやすいオブジェにガラスのテーブル…と、フォトジェニックな家ではありますが、それと比例するように、赤ちゃんに非常に優しくない家でもあります。このスペースをどのように赤ちゃんフレンドリーにするか、出産前から大きな課題でした。

前述のように、住む環境そのものがインスピレーションであるべきと考えているので、たとえ赤ちゃんがいるからといって、完全にベビー仕様にするわけにはいきません。

そんな私達の解決方法や、選んだベビー家具などを一部紹介します。

ベビーサークル(プレイペン、プレイヤード、ベビーゲート)

料理をするときなどに役に立つベビーサークル。置くとなるとベビーグッズの中でも一番大きく目につくものなので、購入までにかなりリサーチしました。見た目と値段のバランスを見て決めたのが、RegaloSuper Wide Baby GateUS Amazon楽天)。シンプルで、形やサイズを自由に変えることができます。そして床にはこのフォームタイルを。子供部屋用はカラフルなものが多い中、コンクリート床に合わせてグレーを。ジムなどで使われるものです。このベビーサークルのパネル1枚とフォームタイル1枚の幅が同じなので、ピッタリ収まります。

ベビーベッド(クリブ)

IKEAのGulliverです。この価格でこのクリーンなデザイン、さすがIKEA。前述の通り我が家は仕切りのないオープンスペースだったので、新しく壁を設置して子供部屋を作りました。相変わらず白くて殺風景な部屋ですが、子供部屋らしさを少し出すために、牛の種類が描かれたフランスのアンティークポスターを…

ベビーチェア(ハイチェア)

ベビーチェアも大きめの家具ですし、食事が関わるものなので、選ぶのにかなり時間をかけました。以前書いたBLWをするために大きなトレイが付いていることと、月齢に合わせて対応できるもの、そして見た目や使いやすさを考慮して選んだのがOXOのTot Sprout Chairです。座り心地もとても良さそうで、1歳8ヶ月になった息子は自分で登り降りもしてくれるようになり、非常に気に入っています。

[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]