前半では、教育方針から金銭事情など紹介しました。続きの後半をお伝えします。

食事事情

NYのプリスクールでは、ランチは外部業者によるケータリングランチが一般的で、オプションとなります。去年は私もこのケータリングランチを利用していましたが、メニューは毎月貰っていたものの、そのランチ実物は見たことがなく、けれど1年目の終わりに1度だけ見る機会がありました。そのランチは、オーガニックや栄養のバランスにはとてもこだわっており、よく「アメリカの給食」で連想されるようなジャンクなものは一切なく、その点は安心していたものの、ただ全く美味しそうには残念ながら見えなかったのです。それでも息子は美味しそうに毎日残さず食べているとのことでしたが、やはりどうしても納得ができず、2年目である今年は頑張ってお弁当を作っています。

おやつは、学校支給で午前中に1回。フルーツや野菜スティックなど、ヘルシーなものが用意されています。

ベジタリアンメニュー

ランチ繋がりで、さすがアメリカだなとびっくりしたことといえば、ランチにベジタリアンメニューが用意されていること。普通メニューかベジタリアンメニューを選ぶことができます。私個人の意見としては、親のフィロソフィーがどうであれ、子供にはいろんなものを食べさせて、本人が自分で考えて判断できる歳になってから、本人に決めさせるべきだと思うのですが、傾向としては、ベジタリアンの親は子供にもベジタリアンを、同じくヴィーガンの親は子供にもヴィーガンの食事をさせているケースが多いです。

ナニーさんが送迎

我が家は時間がフレキシブルなので、Giorgioと私で送り迎えを交互にしていますが、学校全体の半分くらいはナニーさんが送り迎えをしています。延長保育のオプションもありますが、通常は学校が15時までなので、フルタイムで働く両親には仕方のないことです。息子のクラスメートでも、親御さんを1度も見たことない子もたくさんいますし、中には3人兄弟で学校に通い、その3人それぞれに別のナニーさんがついている家族もいるほどです。

休日が多い

これもNYのプリスクールに通う子の親が大抵口を揃えて言いますが、とにかく学校がお休みの日が多い!祝日はもちろん、ユダヤ系の学校でもないのにユダヤ系の祝祭日、先生の教育日など、1ヶ月に3、4日はお休みがあります。フルタイムのナニーさんがいる家庭は、その日はナニーに任せればよいだけの話なので問題ありませんが、我が家のようにそうではない家族の多くは、デイケア(託児所)に預けています。デイケアはナショナルホリデー以外は休みがないので、バックアップ・ケアとして利用することができます。

運動会やお遊戯会はない

日本の幼稚園/保育園では一大イベントである運動会やお遊戯会は、アメリカでは基本的にありません。何かを練習して家族の前で発表をするという機会がそもそもありません。日本の家族や友人の話を聞いていると本当に楽しそうなので羨ましいといつも思います。さらに、日本では季節を感じさせる行事、例えば七夕、お月見、節分などたくさんあるかと思いますが、そういったものも非常に少ないです。日本ならではの素晴らしい文化だと思います。

外国語教育

日本の幼稚園や保育園でも英語の教育をカリキュラムに組み込んでいるところが増えていると聞きました。アメリカでは、多くのプリスクールで取り入れられている外国語教育といえばスペイン語。息子が通っているプリスクールはもちろん、前述のバックアップ・ケアである託児所でさえも、スペイン語圏の先生がスペイン語を毎週教えてくれます。ちなみにニューヨークは、さすが他民族が集まる街なので、フランス語のプリスクールやイタリア語、中国語にもちろん日本語の保育園まで、様々な学校があります。

ビットコインでの支払い

これに関してはニューヨークのプリスクールでも少ない方だと思いますが、息子の学校は授業料をビットコインでの支払も受け付けています。これは、保護者からのリクエストが多かったためだそうですが、それだけピットコインが流通していることに驚きました。

デジタル化

日本の幼稚園でもデジタル化が進んでいるとは思いますが、もちろんニューヨークのプリスクールでもその変化は目まぐるしいです。願書受付から書類提出、授業料支払いなどは全て専用サイトにて行います。毎日の生活記録には専用のアプリがあり、写真や動画はもちろん、食事やトイレ状況はその都度ほぼ実況で連絡が届きます。年度末の写真アルバムは、印刷版の他にも電子書籍での購入オプションもありました。

 

以上、アメリカ/ニューヨークのプリスクール事情を紹介しました。アメリカは大ざっぱだというイメージがありますが、全然そんなことはなく、とても細やかで丁寧です。日本とアメリカの幼児教育にはそれぞれ良い部分があるので、足りない部分は家庭で補うなどして、よりよい環境を作るよう心がけています。

[Photo and styling by Hitomi Watanabe Deluca]