以前にも書いた通り、GiorgioはDean&Delucaを始める前にチーズ屋を営んでいました。もちろんチーズが大好きで、チーズの知識も豊富です。我が家には数種類のチーズが必ず常備してあり、朝ごはんとしてバゲットやジャムと一緒に食べたり、夕食前後にワインと頂いたりと、ほぼ毎日食べています。

お店はソーホーのDean&Deluca, ウェストビレッジのMurray’s Cheese, ウィリアムズバーグのBedford Cheese Store, ブッシュウィックのFoster Sundry辺りで買うことが多く、季節やその時の気分で買うチーズを選んだり、信頼できるスタッフがいるときには、おすすめのチーズを試すこともあります。

そんな我が家で最もたくさん消費しているチーズを3つ紹介したいと思います。

1. パルミジャーノ・レッジャーノ (Parmigiano Reggiano)

「イタリアチーズの王様」であるパルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部で製造される、イタリア政府の保護を受けたハードタイプのチーズです。
デルーカ家にとってなくてはならないチーズで、我が家で作る料理の半分くらいには、このパルミジャーノ・レッジャーノを何らかの形で使用しています。我が家の冷蔵庫にパルミジャーノ・レッジャーノを切らしたことは未だかつてありません!そしてパルミジャーノ・レッジャーノをすり下ろすためのチーズグレーターもなぜか10個くらいあり…。料理に使うのはもちろんですが、そのままでもとても美味しく、ジャリっとした食感と、甘味と旨味が凝縮された美味しさは、他の何にも変えられません。(ちなみに、粉チーズとして流通している「パルメザン」とは似ても似つきません。)

我が家では以下のようにしてパルミジャーノ・レッジャーノをいただきます:

  • そのまま、またはバルサミコ酢をかけてワインのおつまみに
  • すりおろしてパスタ、スープ、リゾットにかける
  • 揚げ物を作る際に、すりおろしてパン粉と混ぜる
  • オリーブオイルとすりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを蒸し野菜にかけるて食べる
  • ハンバーグやミートボールのたねにすりおろして混ぜる
  • 卵焼きやフリッタータのたねにすりおろして混ぜる
  • 薄く削ってサラダにかける
  • 残った皮の部分は、スープを作る際に一緒に煮込む

2. エポワス (Epoisses)

ウォッシュタイプチーズの代表格であるエポワス。フランス・ブルゴーニュ地方のエポワス村の名産です。ウォッシュチーズとは、熟成過程で塩水やワイン、ブランデーなどを使って表面を何度も洗う製法のチーズで、ブルゴーニュワイン産地ならではのお酒を使って作られるのがエポワスです。
最も市場に出回っているベルトー家(Berthaut)のエポワスは木のケースに入って販売され、蓋を開けるときれいなオレンジ色のチーズと、独特な香りが広がります。強い臭いは表皮だけで、とろとろクリーミーな中身はクセはなく、まろやかで深みのある味わいは、本当に感動的な美味しさ。これをバゲットにのせて、同じブルゴーニュ産のワインといただく…至福の時間です。
熟成しすぎているものもよく見かけるので、購入する際には蓋をあけて中身を確認し、臭いが苦手な人は少し若めのものをチョイスしてください。また、このとろとろクリーミーを味わうために、常温でしばらく置いておいてから食べてください。

3. コンテ (Comte)

フランスで消費量No.1を誇る、最もポピュラーなチーズ、コンテ。政府の保護制度を受けたフランスを代表するハードチーズで、クセもなく、とても食べやすいチーズです。食べやすいとはいえ、風味豊かでコクがあり、とても奥の深いチーズです。ほっくりとした食感でナッツのような香ばしさがあり、食べ出すと本当に止まりません。息子におやつ代わりにあげることもしばしば。
そのままワインのおつまみとして食べることが多いですが、料理に使うことも少なくありません。例えばチーズスフレを作るときは、パルミジャーノ・レッジャーノだけではやはりコクが足りず、同量のコンテを足すことで風味がぐっとあがります。またコンテはよく溶けるので、フレンチオニオンスープやチーズフォンデュ、クロックムッシュを作るときには欠かせません。

 

[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]