以前、「デルーカ家でよく使う3つのお鍋」という記事で、こんなことを書きました。
食材だけではありません。Dean&Delucaでは、ツールや食器などのキッチン用品を取り扱ってきました。もちろん当時お店に置く商品を選んでいたのもDeanとDeluca本人たち。そしてGiorgioは気に入ったものは自宅用にも買い揃え、そして現在に至っても、キッチン用品に関しては気に入ってしまうと必要なくても購入してしまう癖があり、そしてそれは私にも遺伝してしまい… 我が家はキッチン用品屋さんを開けそうなくらい、物で溢れかえっています。
そう、うちの台所にはものすごい数の道具があります。1度も使っているところを見たことがない道具や、下手をすると何のための道具なのかすらわからないものもあるほど。同じ用途のものが何種類もあったりもしますが、お鍋のときと同様、普段使うものはなんとなく決まってきます。その中から、今日は3つを紹介しようと思います。他にもたくさんあるので、また気が向いた時にでも、残りの道具について書こうと思います。
デルーカ家のキッチン道具 1: フードミル(トマトミル)
フランス語では「ムーラン・ア・レギューム」と呼ばれるこの器具は、フランスの一般家庭ではもちろん、アメリカでも料理好きの家ならおそらくある裏ごし器。ハンドルをぐるぐる回すだけで野菜や果物をピュレできるという、アナログですが優れものです。「フードミル」の横に括弧で(トマトミル)と表記した理由は、我が家ではこのフードミルをトマトソースを作るときのみ使用しているからで、1週間に1度はトマトソースを作る我が家ではなくてはならない道具。
トマトソースを作る際は、本来は新鮮なトマトを使うのが一番ですが、NYではイタリアのように美味しいトマトが常に手に入るとは限らないので、クオリティを保つために普段使用しているのはイタリア産のトマトペラーティ、つまりホールトマト缶。そしてそのホールトマトをこのフードミルで均等に潰してソースを作っています。種などの余分なものを省いてくれるので、甘みの強い美味しいトマトソースが出来上がります。
使用しているのは、アメリカで初めてフードミルを開発したFoley社のもので、30年以上使っていますがとても丈夫で壊れる気配がありません。
デルーカ家のキッチン道具 2: Dean&Delucaのレザー鍋つかみ
こちらも年季が入ったアイテム、皮革の鍋つかみです。Dean&Delucaのオープン当初からGiorgioが販売していたアイテムで、途中からはロゴ入りにしたそうですが、 我が家のこの2枚は、ロゴを入れる前のもの。
消耗品の鍋つかみが多い中、使えば使うほど味が出るのはレザーならでは。我が家の鍋つかみもいい雰囲気が出てきました。
使い始めは革が少し硬く感じますが、次第にしっとりと手に馴染んできます。鍋つかみとしてはもちろん、鍋敷きとしても使っています。
デルーカ家のキッチン道具 3: ペストル&モーター
ハーブやスパイスを潰すのに欠かせないペストル&モーター。スパイスの場合、グラインダーを使うには使うスパイスの量が少なすぎたり、またグラインダーを使うと均等に砕かれないため細かくなりすぎるという欠点を補うのがペストル&モーター。なぜだかはわかりませんが、このスパイスを潰すという作業、大好きです。またハーブに関しては、スライスするよりも潰すことでより香りを引き出すことができます。
我が家で使っているのが写真の2つ。グリーンマーブルのものと、陶器のもの。グリーンマーブルの方は、ペストルを一度落として割ってしまい…Giorgioが接着剤で直してくれました。何でも気に入ったものは、壊れたり割れたりしても直して使っています。