先週平日朝、キャナルストリートからみたソーホーエリア。普段なら出勤する人たちで溢れています。

世界各地で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、ここニューヨークでも急速に感染者が増加し、大混乱に陥っています。

1週間前の投稿日を境に、私たちの生活も一変し、そこから毎日のように状況が大きく変わっており、もはや明日がどうなっているのかもわからないような状態です。

先週月曜から学校が閉鎖となりました。急なお願いにも関わらずシッターさんが来てくれることになり、いつも通り出勤することができました。けれど街は全くいつも通りではありませんでした。街から人が消えていました。

その日のうちに、翌日からレストランやバーの営業禁止が決定。その後も毎日のように閉鎖の拡大が進み、とうとう金曜には、一部の必須機関・店舗を除く全労働者の出勤停止及び自宅待機が決定。今日22日の夜に発効されます。

先週1週間は、ウイルスが市内で猛威を振るっているという事実へのショックと、激変した生活への対応・調整、そして先の見えない不安感とで、精神的に不安定な日が続き、毎日何度も深呼吸をして自分を落ち着かせていました。追い討ちをかけるように、目の前に現れる変わり果ててしまったニューヨークの通りを歩いて通勤するたびに、涙が出そうになりました。

レストランやバーだけでなく、ほとんどの店舗が閉店していたなか、オフィスのすぐ近くにある個人経営の小さなコーヒーショップは、テイクアウトのみで営業を続けていました。いつもはスタッフが数名いてお客さんも列を成していますが、この時はとにかく外に人がいないので、お客さんもほとんどいません。出勤前に寄ってコーヒーとクロワッサンを注文したら、オーナー自ら対応してくれました。「こんな状況でもまだ開けていてくれてありがとう」と言うと、「開けると赤字になるけどね、みんなが閉めちゃったら、医者や消防士などまだ働いている人たちがコーヒー買えるところがなくなっちゃうからね」と話してくれました。そして、支払いの時にいつもより多めにチップを残そうと思ったら、全く受け取ってくれませんでした。「今回のせいで、スタッフたちを一時解雇しなければいけなくなった。彼らがまた戻ってきてくれたら、その分彼らに渡してほしい。」と。切なくも、心温まる瞬間でした。

大勢の人が仕事を失い、ホームレスの子供達は彼らにとってシェルターである学校を失いました。それでも、9/11のときと同じように、一人ひとりが助け合い、みんなで一緒に戦おうとするニューヨークらしさを感じています。

学校閉鎖が夏休みまで延びる見込みが非常に高いと思っているので、この生活がニューノーマルとして頭を切り替え、そして知らず知らずのうちに自分が感染を拡げているという可能性がゼロではないと言うことを常に意識しながらこの苦境を乗り越えていきたいと思っています。

なお先日お知らせしましたが、木曜の「Favorites in (NY)」は、ニューヨークが閉鎖状態となっているためしばらくお休みします。

日曜の投稿はこれまで通り続ける予定です。

自宅近くで見かけた張り紙。「不安は伝染する。そしてこれらも:優しさ、希望、寛大さ、思いやり、連帯感、そして愛。愛を広めよう。あなたは一人じゃない。私たちは乗り越えられる。一緒に。」