コロナ対策の指揮を執り、素晴らしいリーダーシップを見せているクオモ州知事の、心に残る言葉。

ここニューヨークで、新型コロナウイルスの感染拡大が驚異的なスピードで進んでいます。私の同世代の知り合いにも感染者が出たり、近所のスーパーの従業員に感染者が出て一時閉鎖になったりと、もう目の前まで迫っています。先週までは、「学校が閉鎖になって、どうやって仕事をしよう?」と悩んでいたのが、今では「感染したらどうしよう」に入れ替わりました。もし家族の誰かが感染して在宅療養になった場合、どの部屋を隔離部屋にするか、などと家族で話し合っているほどです。

アメリカでの感染拡大のニュースは、日本でも大きく報道されているとは思いますが、取り上げられないような小さなものでも日本の方に知ってもらいたいニュースがたくさんあります。閉鎖となって変わったニューヨークの人たちの生活、助けあう人たちの心温まる話、そして感染拡大における切実な実態など、記事をまとめました。

助け合う人々

・ヨーロッパに続き、NYでも、医療従事者を中心とする働く人たちに感謝と敬意を示すための一斉拍手が、金曜27日の午後7時に行われ、私の自宅からもたくさんの拍手が聞こえて胸が熱くなりました。これから毎週金曜に恒例となるそうです。[記事: Gothamist

・友達にも会えず、公園にも行けない子供たちを励ますために、ブルックリンを中心とする住人が家の窓に虹を貼るという動きが出ています。子供たちが外を歩くときに虹を見つけるというゲームで束の間の楽しみを見つけています。[記事: Secret NYC

・新型コロナと闘う医療従事者にピザを送ろうという「ピザvsパンデミック」キャンペーン。誰もが簡単に寄付ができ、市内の様々なピッツェリアからピザが運ばれる仕組みとなっています。[記事: Timeout

・レストランが閉鎖となり、たくさんの人が仕事を失いました。そこで、彼らをサポートするために無料の食事を毎晩提供するというグループが、レストラン間で広がっています。

・感染者増加に伴い、医療スタッフのボランティアをNY州が募ったところ、退職した医師や医学生など4万人もの応募がありました。[記事: NY.gov

・医療機関を中心とする、マスクが不足する現場に寄付をするため、プロの裁縫師から主婦まで全米でマスクを手作りをする動きが広まっています。[記事: NY Times

閉鎖中のニューヨークの人たちの暮らし

・夕方になると、友人同士がそれぞれ自分の好きなドリンクを用意して、zoomやHousepartyなどを使って画面越しにハッピーアワーを楽しむのが恒例となりました。[記事: wirecutter

・NYの自宅待機中に一躍有名になったのが、ブルックリンの写真家、Jeremy Cohen。向かいのビルの屋上にいる女性に恋に落ちて、ドローンでメッセージを送り、’Social distancing’を守りながら距離を縮めていく2人の恋のゆくえに大勢の人が注目しています。[記事: Time

・ファーマーズマーケットは引き続きオープンしていますが、入場制限があり、商品に触れることはできず、店舗間も距離を置き、そして支払いにも6フィートをあけて並ぶなど、徹底したルールが定められています。[記事: Timeout

・自宅待機となってからも、若い世代はデジタルツールを使って仕事を続け、スマホで食材や食事のデリバリーを注文するなどしていますが、高齢者はそれらを使いこなせる人の割合が低く、問題視されています。これから閉鎖拡大の可能性が高い日本でも考えるべき点と言えます。[記事: NY Times

・ニューヨーカーを元気付けるため、エンパイア・ステート・ビルが、ラジオで流すアリシア・キーズの名曲「Empire State of Mind」に合わせてカラフルにライトアップしています。[記事: Secret NYC

レストラン業界の動き

レストランが閉鎖となってからの動きはこのEaterの記事で写真と共に詳しく紹介されています。

多くのレストランが顧客から寄付を募ったり、ギフトカードを販売しているほか、店内のワインを販売して資金を調達したり、ミールキットを作って販売したりなど、知恵を絞っています。ギフトカードを販売しているレストランが一覧できるHelp Main Streetというウェブサイトも開設されました。

フードデリバリーには、「No-contact」デリバリーという、手渡しせずに玄関先などに置くというオプションができました。それでもデリバリーの数は減っているそうです。

感染患者が増え続ける病院の実態

人工呼吸器や医療用防具の不足を訴えるため、クイーンズの医師が、コロナウイルス患者の治療で混乱状態の院内を撮影した動画がNYタイムズで取り上げられています。[記事: NY Times