Photo courtesy of snaq.me

今日紹介するブランディング・プロジェクトは、去年ブランドのリファインをお手伝いさせていただいた、サブスクリプションおやつのsnaq.me(スナックミー)です。

去年サービス開始から4周年を迎え、これまで作り上げられたものを言語化し、洗練させ、統一感のあるアウトプットでのブランド構築をしていきたいということで、私たちHI(NY)にご依頼いただきました。

おやつを変えたい!という想いからはじまったsnaq.meは、2016年3月に「ギルトフリースナックの定期購入サービス」としてスタートしました。日本で初めてのサブスクリプションのおやつ、そしてそれまで日本では少なかった無添加の自然派お菓子ということで、テクノロジーを駆使したsnaq.meは定期購買ユーザーを着実に増やし、お菓子のサブスクリプションサービスとしての地位を確立しました。

言語化ができていなかったとはいえ、代表の服部さんを始め、snaq.meのチームの皆さんの思いは非常に熱くてクリアでした。提供しているものは、お菓子という単なる「モノ」ではなく、「おやつの時間」という体験であること。そして安心安全で美味しい日本中のおやつをワクワクとともに届けること。さらには全国のおやつ職人や生産者の方を応援して地域活性化に貢献し、食糧問題や環境問題にも積極的に取り組まれていました。snaq.meの「らしさ」は引き出すまでもなく、その1つ1つが鮮やかな色をもつsnaq.meの強みを、ルービックキューブのように整理し、環境や時代、そしてターゲットオーディエンスのニーズを考えながらアレンジをしていくというプロセスでした。

こうして仕上げたブランドDNAを、消費者に正しく、そして魅力的に伝わるよう、ビジュアル・アイデ ンティティという形に落とし込みました。

snaq.meにはすでにとても有能なインハウスデザイナーのチームがありましたので、今回はコラテラルの作成は必要なく、私たちの役目はビジュアル・アイデ ンティティの明確なシステムを作成すること。そしてそのデザイナーの方々にシームレスに引き継ぎいただけるようにすることでした。

Photo courtesy of snaq.me

新ビジュアル・アイデンティティ

今回ブランドDNAを構築する上で、ターゲット層をぐっと絞り、そこに焦点をあててビジュアル・アイデンティティを構築しました。

もともと、女性を中心としたコアファンがすでにたくさんいらっしゃり、ブランドの雰囲気もそちらに寄せたかわいらしい雰囲気でした。そのコアなファンの方々が違和感を抱かないように、そしてsnaq.meの持つ優しさや温かさは壊さないように気をつけながら、全体をリファインしました。

ビジュアル・アイデンティティの中心であるロゴは、創業時から使用されているリスのモチーフを残しつつ、洗練したイメージに。

パステル調だったカラーパレットも大きく印象を変えました。バランスを考えたフードカラーを揃え、それをメインであるネイビーでスマートに引き締めています。

大切にしたのは、snaq.meが提供する「おやつ体験」。ビジュアルも、snaq.meの要であるおやつを主役にし、おやつのシルエットをグラフィックエレメントとして、snaq.meのワクワク感が伝わるようにしています。

写真のアートディレクションも、グラフィックエレメントとリンクして、素朴なおやつならではのフォルムが楽しめるディレクションにしました。

リファイン発表から1年が経過しましたが、VIのシステムを忠実に活かしながらもどんどん新しいことにチャレンジされており、さすがのブランド力でより多くの方々に体験を提供されています。

ちなみにこのsnaq.meのおやつ、本当に美味しくて楽しいのでぜひおすすめです。

Photo courtesy of snaq.me

現在発売中の月刊ブレーン2021年5月号 No.730「ユーザーの心を動かす D2Cブランドのデザイン戦略」にて紹介されています。

「ターゲットの心を掴むスタイルのあるブランディングデザイン」(PIE International・2021.04.22 発売)に掲載されています。