毎年5月の第2土曜日は、「世界フェアトレード・デー」。これにあわせ、5月1日より1ヶ月間、全国で「フェアトレード 100万(ミリオン)アクションキャンペーン」が実施されています。私たちHI(NY)も、企画協力として参加しています。

「フェアトレードって何?」「名前は聞いたことはあるけどいまいちよくわからない」という方もまだまだ少なくないと思います。私自身の学習も兼ねて、今日はフェアトレードについて、よりシンプルに理解してもらうため一問一答という形で紹介し、私たちにできること、そして月間キャンペーンの参加方法について書きたいと思います。

フェアトレードとは?ひと言で言うと

開発途上国の生産者が、その労働に対して適正な対価を受け取ること。そのしくみ。

開発途上国の生産者はなぜ適正な対価を受け取れていないの?

先進国の企業が、企業にとって有利、発展途上国の生産者にとって不利な条件で輸入の取引をしているから。また、生産者と消費者の間に入る多くの仲介業者が利益を搾取しているため。

ではその企業や仲介業者の問題であって、私には関係ない?

消費者は、同じ品質でより安い値段のものを買おうとする。売り手はより儲けるために安く販売しようと価格競争が起こる。そのしわ寄せが生産者に向けられている。つまり、私たち消費者が起こしている問題である。

適正な対価を受け取れないことで、生産者や生産地にはどんなことが起こっている?

  • 貧困、飢餓。
  • 医療不足。
  • 劣悪な環境での長時間労働。
  • 子どもの労働。
  • 安く大量生産するために使用する農薬や化学肥料による中毒死や健康被害、環境破壊。

では私に何ができるの?

国際フェアトレード認証ラベルがついたフェアトレード商品を選ぶ。

私がフェアトレード商品を選んだところで、企業や仲介業者は不公平な取引を続けるのでは?

フェアトレード商品を選ぶことで、フェアトレードを取り入れていない企業に対しての意思表示になる。1つでも多くのフェアトレード商品を選び、1人でも多くの人がフェアトレード商品を選ぶことでその意思表示がより大きくなる。

どんな商品があるの?

【食品】

コーヒー
チョコレート(カカオ)
紅茶
はちみつ
ナッツ(アーモンド、ピーナッツ、くるみなど)
オイルシード(ココナッツオイル、オリーブオイルなど)
スパイスやハーブ(バニラ、シナモン、ミントなど)
果物(バナナ、レモン、マンゴー、パイナップルなど)
加工果物(ドライフルーツ、ジャムなど)
ワイン
砂糖
など

【食品以外】

コットン
スポーツボール
切り花
など

フェアトレード商品を選ぶことによってどんな変化を生み出せるの?

  • 生産者の生活や健康、人権を守ることができる。
  • 子どもは働かなくて済み、学校へ行ける。
  • 食料生産者の大半を占める女性の社会的、経済的向上に繋がる。
  • 生産者のモチベーションや技術が上がり、品質の向上に繋がる。
  • 農薬などによる環境破壊を減らすことができる

フェアトレード ミリオンアクションキャンペーンについて

あまりフェアトレードを知らない、または興味を持っていないという方々への認知拡大および購買促進を目的とした、フェアトレードジャパン主催のキャンペーンです。

SNSで情報をシェアしたり、キャンペーン参加店舗でフェアトレード商品の買い物を楽しんだり、イベントに参加したりするという「アクション」の数をカウントし、100万(ミリオン)のアクション数を目指しています。

日本は、フェアトレードの認知度が非常に低く、フェアトレード超後進国。Fairtrade Internationalの資料によると、2017年の日本国内のフェアトレード市場規模は約121億円と言われており、これはアメリカの10%未満、最も先進国のイギリスと比べるとわずか5%にも満たしていません。日本も認知度や流通が徐々に上がっているとはいえ、世界的に見るとごく低い水準です。

日本の企業の意識改革、さらには日本政府の意識改革が必要となる問題ですが、そのためにいち消費者として積極的に関わることが最も有効です。フェアトレード商品を選び購入し、SNSで発信し、身近な家族や友人にフェアトレードについて教える。この連鎖を作っていくことが、私たちにできることです。地球市民として、ぜひキャンペーンに参加してみてください。

ちなみに我が家では、コーヒーやチョコレートはフェアトレードのものを選ぶようにこれまで心がけてきましたが、今回、企画協力という形でプロジェクトに携わらせていただいたことで、他にもたくさんの商品があることを学びました。また、ヨーロッパでは小学校でフェアトレードについて学ぶ機会を与えているそう。私も5歳の息子にきちんと説明し、理解してもらえるよう、絵本や動画などをリサーチし始めたので、またこれについてもいつか紹介できればと思います。

キャンペーン特設ウェブサイト