
アプリコットタルトを作る際は、パスタ・フローラ生地で作ることが多いのですが、その生地が美味しいのでそのままクッキーとして食べても美味しいんじゃないか、とGiorgioが提案したのが、今日レシピを紹介するオレンジ・ピーカン・クッキーの始まりでした。
パスタ・フローラはイタリアの菓子生地で、フランスでいうパート・シュクレとほぼ同じの、ほろほろと崩れるような食感の甘みのある生地です。
まずは提案通りそのままクッキーとして焼いてみたところ、思った通りの美味しいバタークッキーができました。けれど何せそれまでアプリコットタルトとして食べていたくらいですから、ひと捻り欲しいところ。そこでまず柑橘系の香り付けとして、レモンゼストとオレンジゼストでそれぞれ試してみました。レモンも悪くはありませんでしたが少々バターに力負けしてしまいその良さが十分に発揮できず。対してオレンジは、クッキーが喉を通った後にふわっとくる香りが絶妙で、レモンには申し訳ありませんがオレンジの圧勝でした。
さらに香ばしさを求めて、ナッツも追加。ヘーゼルナッツ、パインナッツ(松の実)、ピスタチオ、ピーカンナッツ、の4種をそれぞれ試したところ、どれも美味しかったものの、繊細すぎて少々物足りないものが多かった中、バターの風味に負けず相性抜群だったのがピーカンナッツでした。
より香り豊かするためにピーカンは前もって軽くトーストし、うち半分はグラインダーで細かく砕いてから生地に混ぜ、食感を残すために残りの半分は手で荒く割って、大きいピースのまま生地に入れています。
このクッキーが完成して以来、我が家の定番おやつとなっており、週末に家族でコーヒーショップに行く際にすら持参しているほどです。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]