あまり知られていませんが、ニューヨークでは毎年9月に「NYC Honey Week」と呼ばれるハチミツフェスティバルが行われています。もともとは、ニューヨークの養蜂家コミュニティづくりと、蜂蜜をはじめとする商品購買の橋渡しとして2011年に始まった活動だそうですが、ミツバチが自然環境の基礎を支える重要な存在であるという理解を広める場としても活躍しています。(今年が記念すべき10年目のフェスティバルとなる予定でしたが、コロナの影響で2021年に延期となりました。)
ミツバチは昆虫の中でも特に大事な送粉者、つまり植物の花粉を運ぶ役割を担っており、農産物のなんと約7割が、ミツバチによって受粉しているのだそう。そんなミツバチが、世界規模で絶滅の危機に瀕しています。
ミツバチと生態系を守る活動に賛同して、去年のNYC Honey Weekに、ハチミツを使ったケーキを作りました。そしてGiorgioneにて、メッセージを添えてそのケーキを提供しました。
そこで今日は、そのハニーケーキのレシピを紹介しようと思います。私も去年の9月に大量に焼いて以来、ずっと作っていなかったので久しぶりに作りました。
より多くの方にミツバチへの関心を持ってもらうためには、単純にハチミツを使っただけのシンプルなケーキでは物足りないと思い、より魅力的なケーキになるよう試行錯誤をしました。フルーツやドライフルーツを入れて焼いたり、カルダモンなどのスパイスを入れてみたりしましたが、ほのかな香りが楽しめるハチミツには、どれも存在感が強すぎるように思いました。
そこでお酒を入れることに。蒸留酒の中でもバニラやハチミツの風味が特徴的なバーボンを選びました。ちなみにバーボンはウィスキーの一種。穀物が原料の蒸留酒であるウィスキーのうち、とうもろこしが主原料であるのがバーボンです。今回使用したのはMaker’s Markですが、もちろん他のメーカーのものでも構いませんし、バーボンがなければブランデーやラムなどでも問題なく仕上がると思います。バーボンのおかげで、子供のおやつから大人のおやつに大変身しました。
そしてスポンジだけだと食感的に単調なので、ナッツも追加。我が家のレシピに頻繁に登場しているピーカンナッツを使用しましたが、手に入らなければくるみで代用できます。
こうして「ハチミツ・バーボン・ピーカンケーキ」が出来上がりました。
しっとりというよりは比較的ドライなケーキなので、ホイップクリームと合わせていただくのがおすすめです。一応イタリアンレストランで出すためのケーキだったので、マスカルポーネを混ぜたホイップクリームにしてより濃厚で美味しい仕上がりになりましたが、マスカルポーネがなくても十分美味しいです。
ハチミツ・バーボン・ピーカンケーキ with ホイップ・マスカルポーネ
INGREDIENTS
10インチ(約25cm)
- 2 c pastry flour|薄力粉 2カップ
- 1 tbsp. baking powder|ベーキングパウダー 大さじ1
- 1/2 tsp. salt|塩 小さじ1/2
- 240 g unsalted butter|無塩バター 240g
- 1/4 c sugar|砂糖 1/4カップ
- 2/3 c (225g) honey|ハチミツ 2/3カップ(225g)
- 6 eggs|卵 6個
- 1/3 c (79g) bourbon|バーボン 1/3カップ(79g)[なければブランデーやラムなどでも代用可]
- 3/4 c pecans|ピーカンナッツ 3/4カップ[なければくるみで代用可]
6インチ(約15cm)
- 2/3 c pastry flour|薄力粉 2/3カップ
- 1 tsp. baking powder|ベーキングパウダー 小さじ1
- 4/24 tsp. salt|塩 小さじ1/6
- 80 g unsalted butter|無塩バター 80g
- 17 g sugar|砂糖 17g
- 75 g honey|ハチミツ 75g
- 2 eggs|卵 2個
- 26 g bourbon|バーボン 26g[なければブランデーやラムなどでも代用可]
- 1/4 c pecans|ピーカンナッツ 1/4カップ[なければくるみで代用可]
ホイップ・マスカルポーネ
- 1/2 c heavy cream|生クリーム 1/2カップ
- 4 oz mascarpone cheese|マスカルポーネ 1/2カップ
- お好みでイチジクなどの果物
INSTRUCTIONS
下準備
- 小麦粉、ベーキングパウダー、塩を合わせてふるっておく
- バターを室温に戻しておく
- 卵を室温に戻しておく
- ピーカンナッツを手で4等分に割ってからオーブントースターで軽く焼く
- スプリングフォームパンの底と側面にバターを塗り、パーチメントペーパーを敷く
手順
- 室温に戻したバターと砂糖をハンドミキサー(またはスタンドミキサー)で白くなるまでよく混ぜる。
- ハチミツを足してさらに混ぜる。
- 室温に戻して溶いた卵を少しずつ足しながらよく混ぜる。(一度に大量に入れると分離してしまいます)
- バーボンを少しずつ足してさらによく混ぜる。
- ヘラに持ち替えて、ふるっておいた粉物ミックスを足して切るように混ぜる。
- 粉が完全に混ざり切る前にピーカンナッツを足して、続けて切るように混ぜる。
- 生地を型に流し込み、表面を平らにする。
- 180℃(350°F)で、10インチ(約25cm)の場合は45〜55分、6インチ(約15cm)の場合は35〜45分焼き、竹串で刺して何もついていなければ完成。
- 1〜2時間ほど型に入れたまま冷ましてから外す。
- ホイップ・マスカルポーネとイチジクなどのフルーツと合わせてどうぞ。
ホイップ・マスカルポーネの作り方
- 直前まで冷やした生クリームをボウルに入れて泡立て器(またはハンドミキサー)で泡立てる。(甘いのがお好きな方はお砂糖を足してください)
- 緩めに泡立てたところで、マスカルポーネを足しさらに混ぜて完成。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]
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