先週はハロウィンでした。去年は私の独断で息子にシェフの格好をさせ、今年も特に本人のリクエストがなかったため(というか息子に聞いてない…)、私とGiorgioが大好きなジュゼッペ・ヴェルディの格好をさせました。私の自分勝手が甚だしいコスチュームですが、結構評判で本人もまんざらでもないようだったので、よしとします。

Dean&Delucaが日本に上陸して今年でなんと15年になります。その15周年記念として、今年のホリデーシーズンに、私が作るアップルパイがデルーカさんのアップルパイとして発売されることになりました。

以前、私がおかし作りを始めたきっかけと、その際にまず徹底的に研究をして習得したタルトとその生地であるパートブリゼについて書きましたが、タルトが納得のいく出来に仕上がってから自然な流れで作り始めたのがパイ。タルトと同様、フルーツなどのフィリングが入ったペイストリーなので、同じ要領で作ればいいのだと思っていました。が、もちろんそれは甘い考えでした。

フレンチタルトは繊細さが求められるのとは対照に、アメリカのパイといえば家庭的なお菓子。また、生地に対するフィリングの割合もフレンチタルトに比べて多くなるため、同じ生地ではうまくいかず、また1から生地の研究をはじめました。

そして代表的なパイといえば、もちろんアップルパイ。一見シンプルそうに見えますが、Giorgioが納得のいくフィリング作りはこれまた一筋縄ではいかず、りんごの種類や切り方、合わせる材料などを変えて繰り返し焼きました。キャラメル味やバーボン味のアップルパイなども試しましたが、結局最後に行き着いたのは、この上なくクラシックなアップルパイでした。

こうして、デルーカ家のアップルパイが出来上がったのです。

そして今回、Dean&Deluca Japanにてそのアップルパイを再現していただくことになりました。レシピ監修というのは私も初めての経験でしたが、Dean&Delucaの心強いチームのサポートのおかげで、完成させることができました。実際に味見をすることは地理的に無理でしたが、きっと美味しい仕上がりになっていると思います。

ちなみに我が家ではアップルパイだけでなく、季節毎の旬のフルーツを使ってさまざまなパイも作っており、作り続けるうちにパイの上生地のデザインも凝るようになりました。そして今回のDean&Delucaアップルパイのデザインもいくつか提案させていただきました。

記事トップの写真は、これまでに私が作ったパイのうちいくつかを集めたものです。

なお、食べるときにはバニラのアイスクリームやホイップクリームなどと一緒にいただくのがアメリカでは一般的ですが、私たちは、パイのスライスをトースターやオーブンでよく温めてから、液体のままの生クリームを少しだけかけて食べるのがおすすめです。

予約は11/1から始まっており、その他販売期間や店舗などの詳細はDean&Delucaのページからご覧ください。

デルーカさんのアップルパイ by DEAN & DELUCA ¥5,400
デルーカ家のホームメイドアップルパイを再現した15周年記念商品。
生地の配合からリンゴの種類まで、奥様の愛情がこもった秘伝のレシピは、
クリスピーなパイ生地と甘くとろけるリンゴの絶妙な組み合わせが楽しめます。
温めてお召しあがりください。
*予約期間:11/1-12/9
*販売期間:12/22-25
*販売店舗:
マーケット:六本木/品川/有楽町/新宿/渋谷/恵比寿/広尾/吉祥寺/八重洲/川崎/横浜
カフェ:丸の内/成城/たまプラーザ/新宿/青山/湘南/日本橋