今日紹介するレシピは、鴨ロースのプルーンソースです。
以前、サンクスギビング用のレシピとして「鴨の丸焼き ブランデーオレンジソース」を紹介しましたが、鴨とフルーツは本当に相性が良いので、ブラックベリーソースやチェリーソースなど、いろいろなフルーツソースと合わせて調理することが多いです。その中でも一番よく作るのが、プルーンソース。プルーンをバルサミコ酢に浸し、さらに赤ワインとオレンジジュースも合わせた、甘みと酸味が絶妙のソースです。
プルーンは、「プルーンのチーズタルト」でも触れたフランスのアジャン産、プリュノー・ダジャン(Pruneaux d’Agen)がおすすめ。大きくて柔らかく、しっとりとしていて、濃厚な風味があります。
鴨胸肉は、ニューヨークの食材店で最もよく見かけるのが、ミュラール種(Moulard)。脂が少なくクセのないマスコビー(Muscovy|日本ではバルバリー種)と、北京ダック(Pekin)を掛け合わせ改良した種類で、マスコビーよりも脂が厚く、北京ダックよりも芳醇な風味が特徴です。
鴨胸肉の下ごしらえは、まず水分をよく拭き取った後、お肉側に薄くついているシルバーの膜を削ぎ落とします。この部分は火が通ると固くなり、お肉が反り返ってしまいます。そしてやはり反り返るの防ぐために、一般的には脂に包丁で切り込みを入れていくのですが、切り込みを入れると火が通りやすくなり、脂身をこんがりカリッと焼き上げるのと同時に、お肉も焼けすぎてしまうため、あえて切り込みは入れていません。反り返り防止のために、お肉を上から抑えています。
我が家は子供がいるのでなるべくお肉にも火が通るようにしていますが、脂を完全に溶かしてカリカリにしつつ、お肉は中がレアでピンクにするのが美味しい鴨ロースであり、難しい部分でもあります。
そして最後に、これはお好みなのでなくても大丈夫ですが、ザクロの実を振りかけます。食感、瑞々しさ、そして甘みと酸味をプラスして、より一層面白みのある仕上がりになります。