以前、私がお菓子作りを始めたきっかけと、合わせてパートブリゼのレシピを紹介し、その後、そのパートブリゼを使ったりんごのタルトの作り方を紹介しました。今回は、同じパートブリゼを使った野菜タルトの作り方を紹介します。
ディナーパーティー (ホームパーティー) を成功させる秘訣という記事の中でも少し触れましたが、この野菜タルトは、私がホームパーティーを開く際によく出す料理の一つです。美味しいのはもちろんですが、前もって作っておけるということがポイントです。生地は冷凍しておけるので1週間前でも1ヶ月前でも作っておけますし、フィリングは前日に作っておくことができます。朝のうちに焼き上げてからディナーに常温のままでサーブして全く問題ありませんし、温かく頂くのであればオーブンやトースターで少し温めるだけで出来たてのような美味しさになります。
確かに手間はかかる料理です。けれどその分ゲストも喜んでくれますし、ミニサイズを作って(このレシピでは6cm)手掴みのアンティパストとして出してもよし、少し大きくして(このレシピでは10cm)前菜としてお皿に乗せてサーブしてもよし、の万能タルトです。
このパートブリゼは、砂糖を入れてあるので正確に言うとパートブリゼシュクレになります。キッシュなどのおかずタルトを作る際には、お砂糖を入れないパートブリゼを使うのが一般的ですが、私はこの両方でおかずタルトを作ってみたところ、お砂糖を入れているもののほうが美味しいことがわかりました。お砂糖といっても微量ですし、フィリングの塩味と生地のほんのり甘みが一緒になることでより美味しさが増します。
タルトリングに生地を敷き込むコツ
今回はタルトリング(セルクル)を使用します。底のない、ストレートの輪っか型です。もちろん、普通のタルト型やパイ型でも構いません。

今回は、このレシピで作った生地の半分を使用します。この半分量で10cmのタルト2個分ができるので、その生地をさらに半分にしてから生地を伸ばします。生地を伸ばす時のコツはここで紹介しています。
これを15cm程度の円形まで伸ばし、一旦冷蔵庫で30分ほど休ませます。
生地を取り出してすぐはまだ生地が硬く割れてしまうので、すこし置いてやや柔らかくなってから、軽く打ち粉をして手に取り、天板に置いたタルトリングの上にふわっとのせます。指先に手粉をし、生地をリングにはめていくのですが、生地を上から押してはめていくのではなく、生地を外側から内側へ滑らすようにして優しく折り込んでいきます。角の部分(タルトの側面と底面が合わさる部分)の空気の隙間をできるだけなくすように、型に密着するように敷き込むことによって、焼き崩れを防ぎます。手の温度によってバターが溶けてしまうので手早く進めますが、もし時間がかかって生地が柔らかくなりすぎたら、その都度冷蔵庫に戻して冷やしてください。
型に敷き込んだら、内側から外側へめん棒を転がしながら余分な生地をカットしていきます。冷蔵庫に戻して30分冷やし、生地が硬くなったところで取り出して、生地の底と角の部分にフォークで穴を開けて(ピケ)、生地の準備完了です。これを2個作ります。
アンティパストとして出す場合には、6cmのタルトリングを使い、4個分が作れます。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]