2度目のワクチン接種も無事完了し、長かったこの1年間を振り返って、感極まりました。実際に接種会場では嬉し泣きをしている人もいました。
ニューヨークでは、接種対象である18歳以上の1回目の接種率が60%近くまで上がっており、市内もすっかりポジティブなムード。いい気候とも相まって、1年ぶりに活気ある街の雰囲気が戻りつつあります。
さて今日紹介するのは、赤ワインで煮た洋梨を使った、少し大人のパイ。
洋梨のワイン煮はフランスのデザートですが、ニューヨークでもフレンチやイタリアンレストランでよく見かける定番のデザートです。
洋梨を丸ごとサーブするのでインパクトが大きい割には、作るのは非常に簡単なのでディナーパーティにも向いています。何せワインで煮てあるので、ワインを飲みながらいただくこともできますし、よりデザートらしく食べる場合は、マスカルポーネ、ホイップクリーム、バニラアイスなどと一緒に食べると美味しいです。
このままで成立するデザートですが、贅沢にもこれをパイに入れてみようと思いました。
まず最初に試した際は、いつも作る洋梨の赤ワイン煮をパイに入れてみました。洋梨の赤ワイン煮はスパイスを入れるのが一般的で、人によって好みがありますが、我が家の場合はシナモンスティック、ブラック ・ ペッパーコーン、スターアニスの3つで香り付けをしています。このままデザートしていただく分にはとても美味しいのですが、パイにすると、洋梨、ワイン、スパイス、パイクラストの風味がそれぞれぶつかり合って、全体的にぼんやりとした味になってしまいました。
そこで次は、スパイスを一切使わずに洋梨を煮込んでパイに入れてみたところ、これが大正解。洋梨の甘みがしっかり味わうことができ、同時にワインで一気に大人っぽい風味に。Giorgioも感激して、最速レベルでパイがなくなりました。
洋梨の種類についてですが、最もよく見かける洋梨といえば、Anjou、Comice、Bartlett、Boscあたり。赤ワイン煮デザートとしてそのまま出す分には、仕上がりのフォルムが美しいBoscがおすすめですが、パイで使う分にはフォルムは関係ないので、違う種類のものを混ぜて使っています。ちなみに今回使用したのは、Bosc、Anjou、Red Anjouをそれぞれ1個ずつの計3個。食べ頃に熟れているものだと煮たときに崩れてしまうので、その直前くらいの硬さのものを使います。
ワインをしっかり染み込ませるため、煮た後に常温になるまで冷ました後、さらに冷蔵庫で一晩寝かします。このため洋梨は前日までに準備しなければならず少し手間ですが、冷蔵庫で3日くらいは余裕で持つので、前もって時間のあるときに作っておくことができます。
パイ生地はいつも通り、「アメリカンパイ生地の黄金比ができるまでのプロセスとレシピ」で紹介した生地を使います。
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[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]