これまでに、「デルーカ家でよく使う3つのお鍋」や「デルーカ家のキッチン道具」などで、我が家でよく使うキッチンツールを紹介してきました。今日は、逆に頻繁に使わないけれど気に入っている鍋を3つ紹介しようと思います。

1. カッパー(銅)のポテトスチーマー

カッパー(銅)のポテトスチーマー

デルーカ家でよく使う3つのお鍋」でも紹介しましたが、我が家には長年集めてきた銅鍋がたくさんあります。普段使用するのはその中でもごく一部なので、ほとんど使ったことのない鍋も多くありますが、中でも特殊なものが、ポテトスチーマー。つまりじゃがいも蒸し器です。

下の丸みを帯びた部分と、取っ手のついている部分の間に、取り外し可能な穴の開いたディスクがあるので、下の部分には水を、そして上部分にじゃがいも(またはその他の野菜)を入れて蒸します。

そしてこの特徴的な形にもちゃんと理由があります。まず下部が丸く、そして上部との境目がギュッと細くなっているのは、より早く水を沸騰させるため。そして蒸気になった水分が蓋に当たる際、蓋がドーム型なのでそのまま真下に水滴となって滴るのではなく、ドーム型の蓋を伝って、鍋の側面内側に流れる仕組みです。この側面も斜めになっているのでそのまま、じゃがいもに触れることなく下部の沸騰部分に戻ります。そうすることで、じゃがいもがべちゃっとすることなくホクホクな蒸し芋ができるというわけです。

じゃがいもを蒸すためだけのカッパー鍋なんて贅沢ですが、フォルムの美しさや、詩的情緒豊かな存在感は、随一です。

2. 陶器のフォンデュ鍋

陶器のフォンデュ鍋

美しいゴールデンイエローの釉薬が乗った(glazed)このフランス製鍋は、片手の陶器鍋。

我が家ではもっぱらチーズフォンデュの時に使用するのみですが、とにかく色が美しいので、ディナーパーティなどで、予めオーブンで温めておいたこの鍋にお料理を移して、サービングディッシュとして出すとテーブルが一気に華やかになります。

3. ステンレスのアスパラガス鍋

ステンレスのアスパラガス鍋

この細長い鍋はアスパラガスを茹でるための鍋。中に入っているカゴにアスパラガスを入れて茹でます。わざわざアスパラガスのためだけの鍋なんて…と思われがちですが、これにももちろん理由があります。アスパラガスは根本の太い部分ほど調理に時間がかかるため、横にした状態で茹でると、どうしても穂先の部分が柔らかくなりすぎてしまいます。そこでこの鍋を使って立てて茹でると、アスパラガスの中央辺りまでは茹で、穂先は蒸気で蒸すため、全体がちょうどいい具合に調理されます。

アスパラガス専用とは言え、もちろん他の様々なものに使うことができます。中にカゴがついているので、とうもろこしやブロッコリーニなど細長いもの、そして卵を茹でるのにも便利。また高さがあるので、スパゲッティなどのパスタを茹でるのにも使われます。

[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]