2017年の8月に「デルーカ家で欠かせない食材その1」と題して、我が家に欠かせない食材:マジョラム、マルドンシーソルト、ナッツ&シード、オリーブオイル、の4つを紹介しました。3年半もの間が開いてしまいましたが、この期間に新しく我が家の定番となったアイテムを3つ紹介します。

1. ラ・ギネル(La Guinelle)のバニュルス・ビネガー(Vinaigre de Banyuls)

バニュルスとは、スペイン国境付近の地中海に面した南仏のワイン産地。長い日照時間を活かして作られる天然の甘口ワインで有名です。

そしてこのワインを使用し、酸化防止剤を使わない昔ながらの方法で作られているのが、ラ・ギネルのバニュルス・ビネガー。オーガニックな発酵プロセスでじっくりと熟成させ、無濾過で瓶詰めされているこのビネガーは、自然派ワインファンであったというナタリー・ルフォーによって作り出されました。「素晴らしいビネガーを作るには良いワインが必要で、あとは自然の力に任せる」という彼女の哲学が貫かれています。

熟成期間が長いため、現代製法で作られたビネガーよりも酸味が低く、柔らかくてフルーツの香り高い風味が特徴です。

我が家ではサラダのドレッシングの材料として使うことがやはり最も多いですが、他にも、クランベリービーンズなどの豆類やビーツなどを茹でた後、熱いうちにこのビネガーとオリーブオイル、シーソルトであえると、ビネガーの美味しさを一層楽しめることができます。マリネ状態となりかなり日持ちがするので、夕食に1品足りないときやちょっとしたおつまみとして役立っています。

さらには、酸味が低いためお魚やお肉の仕上げに少しかけたり、先日はパンナコッタに少しかけて美味しくいただきました。

GiorgioもDean&Delucaの時代には相当な数のビネガーを試飲してきたそうですが、このビネガーに関しては、ひとくち口に含んだだけで広がる、他とは明らかに違う鮮やかで奥深い風味に舌を巻いていました。

私たちは数年前にEssex Market内にあるFormaggio Kitchenで見つけて試して以来ずっと使っており、中でもサフロン風味の物を気に入っています。

2. Gianduia 1865 ダークチョコレート&ヘーゼルナッツ・スプレッド

チョコレートとヘーゼルナッツのスプレッドといえばまずヌテラ。欧米人は本当にヌテラが大好きで、ヌテラ中毒を表すヌテラホリックという言葉が生まれたほどですが、私たちにはやはり甘さが強すぎるのと、チョコがミルクチョコレートの味なので、チョコレート自体の風味が楽しめないのが理由であまり好きになれずにいました。

そんな中、Schaller & Weberで見つけたのが、Caffarel社のダークチョコレート&ヘーゼルナッツ・スプレッド。これが大当たり。

Caffarelはヌテラと同じくイタリアの会社。商品名の通りダークチョコレートを使用しており、ミルクではないチョコレートの本来の美味しさが楽しめます。ピエモンテ産の良質ヘーゼルナッツをたっぷり使用しており、まさにホリックになりそうなやみつきの美味しさです。我が家ではブリオッシュをトーストしてこのスプレッドをたっぷり塗って食べるのがお気に入り。

問題はといえば、アメリカでなかなか手に入りにくく、前述のSchaller & Weberでも売り切れになっていることが多いこと。またオンラインで購入するにしても、イタリアでの定価の3倍以上するため少し躊躇してしまいます。そこで、最近はアメリカ国内でも小さい規模でこだわってスプレッドを作っているところが増えたため、Gianduia 1865の代わりとなるべく商品を見つけるために3種類ほど試してみました。しかしどれも甘すぎたり風味が弱かったりで納得いくものに出会えず。ということでこの先もGianduia 1865と付き合うことになりそうです。

ちなみにGianduia 1865のスプレッドでもダークチョコレートではないものもあるので注意が必要。ダークチョコレートは写真のように水色のラベルで、そうでない方は黄色です。

3. Riso Buonoのカルナローリ米

イタリアのお米といえばアルボリオ米ですが、それと並んでメジャーなのがカルナローリ米。リゾットには欠かせないお米です。

我が家で特に気に入って使っているのがこのRiso Buono

アルボリオもカルナローリもリゾットに適したお米ですが、カルナローリはより煮くずれせずクリーミーに仕上がります。中でもRiso Buonoのカルナローリは、お米が中まで均等に火が通りつつもきちんとコシがあり、デンプンが多く含まれているのにも関わらず粘りがですぎないのが気に入っているポイント。これは、収穫後のお米を無処理の状態で1年間熟成させて硬化させているためだそう。

いつも作っているリゾットを、このお米に変えるだけで数割増しに美味しく仕上がります。

私たちはイタリア食材マーケットのBuon’Italiaでいつも購入しています。