今月初旬に日本に帰国した際は、夏のような暑さに驚きましたが、こちらニューヨークもようやく気持ちのいい気候になってきました。今日はこの季節が旬の食材を使ったお菓子を紹介します。
ルバーブ
ルバーブは、鮮やかな赤色が美しい、欧米ではごく一般的な野菜です。大きな葉っぱがつくそうですが、食べるのは葉柄の部分のみで、強い酸味が特徴です。生では酸味が強すぎるので、砂糖と合わせて煮込んだり、焼き菓子などに使われることがほとんどで、野菜というよりは果物の感覚で調理をするのが一般的。今ちょうどニューヨークのグリーンマーケットに並び始めた頃で、長ければ夏の終わり頃まで手に入れることができます。
私自身、2001年にNYに引越すまでは聞いたこともありませんでしたが、今となってはお菓子作りに欠かせない材料の1つ。酸味があるのでお肉との相性もよく、砂糖と煮込んだルバーブソースを、ローストチキンやステーキなどと合わせるのがおすすめです。その際はルバーブソースにタイムやクローブなどのハーブやスパイスを混ぜるとより香り高いものに。
アメリカでは、ルバーブが少し古めかしい印象があるせいかしばらく人気は下火でしたが、健康志向の上昇と、美しい赤色のスイーツが写真映えするとあって、再び人気を集めています。
ルバーブパイ
ルバーブを使った定番お菓子の1つが、ルバーブパイ。この季節になると私も必ず作るパイですが、今日は最近よく作っているハンドパイ、またの名をポケットパイ、つまりはミニパイを紹介しようと思います。1人サイズ、手で持って食べられるので、ハンドパイ。食べるときの手軽さが気に入っています。
ただハンドパイにすると、どうしてもフィリングと生地のバランスが悪くなってしまい、生地の割合が高くなってしまうという欠点があります。なので、ハンドパイにするときは、パイ生地よりも繊細なパートブリゼを使うことにしています。
なお、4個のハンドパイを作るのに、パートブリゼレシピの全量を使います。今回私が作ったハンドパイは、上生地のデザインを施しているため、その倍の量を使っていますが、デザインなしで普通の円形2枚を上下で重ねるだけであれば、倍の量は必要ありません。生地を伸ばす時のコツはここで紹介しているので参考にしてください。
ルバーブフィリング
パイのフィリングには、苺と組み合わせるストロベリールバーブも人気でよく見かけますが、私はシンプルにルバーブだけを使ったものが好きで、合わせる材料も最低限にしています。この分量で作るとほぼ確実に余るので、その場合はプレーンヨーグルトにかけて食べるのがおすすめ。砂糖は極力少なくしているので、バニラアイスクリームと一緒に食べても酸味がきいて美味しいです。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]