すっかり夏の陽気のニューヨーク。パンデミック以前の、いやそれ以上の活気が街には戻っています。New York Times Magazineが先月5月の1ヶ月間、15人の写真家をアサインして街の様子を記録させた特集がこちら。今のニューヨークのエネルギッシュな雰囲気が写真からもよく伝わります。
さて今日紹介するレシピは、鶏むね肉の黒糖バターロースト。この日本語タイトルをつけるのにかなり悩みましたが、鶏むね肉をブランシュガー&バターのソースで絡めてオーブンで焼く料理です。
この料理は、以前Giorgioが経営していたレストラン、Giorgioneの人気メニューで、私も大袈裟ではなく100回は食べたんじゃないかと思うくらい中毒になる美味しいさの料理でした。ほぼこれだけを目当てに通っていた友人もいて、閉店1年以上経った今でも彼女は会うたびにこのチキンの話をするほどです。
閉店後は必ず家で再現しようと思っていた料理の1つですが、シェフから受け継いだレストランのレシピフォルダーにはなぜかこのレシピが見当たらず…。元マネージャーを介してわざわざシェフからレシピを聞き出してもらい、作ってみたのが数ヶ月前。その出来栄えのクオリティの低さに愕然としました。口頭伝達の途中で一部抜け落ちたのか、それともシェフがもう半分忘れてしまったのかはよくわかりませんが、Giorgioneで食べていたあの味とは似ても似つかない仕上がりでした。
そこから改良を重ねること数回。シンプルそうでいて、なぜか再現が難しく諦めそうになりましたが、なんとか95点くらいにはなりました。
再現は難しかったですが、レシピそのものは至ってシンプル。要領としては鶏の照り焼きに近く、醤油ベースの照り焼きソースの代わりに、ブランシュガー&バターを使うイメージです。最後にオーブンでローストしますが、オーブンがない場合はそのままコンロの上で仕上げても問題ないと思います。
Giorgioneではこのチキンローストに、イタリアンコロッケとにんじんを付け合わせてサーブしていたため、我が家でも同じようにすることが多いですが、イタリアンコロッケはそれ単体で手間のかかる料理なので今回は省き、にんじんだけあわせてレシピを紹介します。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]