今季のニューヨークでの目玉展覧会の1つが、ホイットニーで開催中のルース・アサワ展。南カリフォルニアで1926年に日系二世として生まれたアサワは、戦時中の日系人強制収容所で芸術を学び、反日的な偏見の中で芸術に救いを見出し、より良い未来をもたらす芸術の力を信じ続けました。ワイヤーを使った彫刻が彼女の代名詞と言えるほど広く知られていますが、今回の展覧会で焦点を当てているのが、彼女が生涯毎日描き続けたというドローイング。私自身もワイヤー彫刻以外の作品について全く知識がありませんでしたが、それもそのはず、今作品のほとんどが初公開なのだそう。彼女の探究心や好奇心に満ち溢れたドローイングが素晴らしくて、圧倒されてしまいました。展覧会では作品全体を8つのカテゴリーに分けられ、折り紙の技法を使った作品から繊細な肖像画まで、幅広いアサワ作品を鑑賞できます。とても貴重で、心を動かされる展覧会でした。

Ruth Asawa Through Line at the Whitney
99 Gansevoort St,
New York, NY 10014
(212) 570-3600
whitney.org/exhibitions/ruth-asawa-through-line
(NY) MAPを開く