今回は、あさりを使ったパスタを紹介します。
あさりのパスタといえば、スパゲッティを使ったボンゴレビアンコが有名ですが、今日紹介するのはフレゴラというパスタ。フレゴラ/フレグラ (Fregula) は、イタリアのサルデーニャ生まれのパスタで、サイズはいろいろありますが、主に直径2-6mmくらいの小さいボール状に丸められた、少し大きめのクスクスのようなパスタです。オーブンでローストされているため、香ばしさがあるのが特徴です。小さい粒状なのでリゾット感覚で、スプーンで頂きます。
サルデーニャのフレゴラ料理で最も多いのが、Fregola con arselle (あさりのフレゴラ) ですが、本場ではトマトベースが一般的。でも我が家ではより貝の美味しさを味わうためにトマトは使っていません。また、Fregola con arselleはソースの中でフレゴラを茹でるのが一般的で、そのためドロっとした仕上がりですが、我が家ではさらっとしたスープのような仕上がりにするために、フレゴラは別で茹でています。
さっぱりとしていますが、フレゴラの香ばしさと貝の旨味が濃厚なとても美味しいパスタで、そしてとても簡単。30分もあればできてしまうので、平日の夜にぴったりの料理です。
コックル貝について
「あさりのフレゴラ」と題していますが、私が普段使うのはコックル貝 (Cockles)。アメリカでは、あさりと同類として使用されるものにリトルネッククラム (Littleneck clam) やマニラクラム (Manila clam)がありますが、それらよりも小さいのがコックル貝で、旨味が強くとても美味しいです。ニュージーランド産のものがほとんどで、NY市内のスーパーでは比較的手に入りやすいです。
シャロットについて
使用しているシャロット (フランス語ではエシャロット) は、玉ねぎによく似ており、一般的には玉ねぎより小さくて細長く、紫玉ねぎのように表面が薄くピンク色をしています。日本で出回っているらっきょうのエシャレットとは全く別物です。玉ねぎより辛味が低くてマイルドなのが特徴ですが、もちろん玉ねぎで代用可能です。
[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]