食事がイタリアン中心の我が家では、ワインもイタリア産のものがほとんど。ワイン無しの夕食は考えられませんし、またGiorgioの仕事柄、テイスティング用のワインもこれまでたくさん試飲してきました。

イタリアといえば、ワインの生産量が世界1位のワイン大国。南北に長い地形のため、多様性豊かなワインが作られていますが、350以上ものブドウ品種が使われ、さらに同じ品種でも地域や産地によって名前が変わったり、ブドウ品種の名前が全く別の産地の地名と同じだったりなど、混乱要素が非常に多いのもイタリアワイン。飲めば飲むほど、ワインの世界の奥深さに困惑し、勉強しようとすると本当にキリがありません。

ネットで検索すると、産地別・品種別の基礎知識や、ワイン法で定められた格付け、または価格別など、プロのソムリエの解説付きでさまざまな情報が得られます。ですのでここでは、「シーン別・オケージョン別」という切り口で、おすすめのイタリアワインを紹介しようと思います。今回は赤ワインのみに絞って紹介します。

■ワイン通の友人宅へお呼ばれしたときの手土産に

Brunello di Montalcino

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

イタリアの他の高級ワインに比べると一般的な知名度が少しだけ低い分、「通」な印象のあるブルネッロ。ワイン好きな友人に贈るときっと喜ばれます。

イタリアの三大赤ワインの1つである、ブルネッロは、トスカーナ州モンタルチーノ地区で作られるワインで、サンジョベーゼ(Sangiovese)の変異種であるサンジョベーゼ・グロッソ(Sangiovese Grosso)のみを使用しています。熟成型のワインで、重厚で力強く、熟成とともに繊細で豊かな果実味が楽しめる赤ワインです。

おすすめワイン
Argiano Brunello di Montalcino
アルジャーノ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
$68 (2010)     ¥7,238 (2004)
詳細:Wine Searcher  楽天

落ち込むことがあったのでしっぽり飲みたい

Rosso di Montalcino

ロッソ・ディ・モンタルチーノ

今日は嫌なことがあったので、思い切ってブルネッロを開けて気を晴らしたい!でもやっぱりちょっともったいないか…というときにはロッソ・ディ・モンタルチーノを。

英語でベイビー・ブルネッロ(Baby Brunello)と呼ばれる、ロッソ・ディ・モンタルチーノは、いわゆるブルネッロの妹分。ブルネッロと同じく、使用品種はサンジョベーゼ100%と規定されていますが、最低4年熟成させなければいけないブルネッロに対して、ロッソ・ディ・モンタルチーノは1年のみの熟成で市場に出すことができます。よって、ブルネッロに近い味わいが、ブルネッロの半分以下の金額で楽しむことができるのです。

おすすめワイン
Ciacci Piccolomini d’Aragona Rosso di Montalcino
チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ ロッソ・ディ・モンタルチーノ
$26 (2013)     ¥3,344 (2015)
詳細:Wine Searcher  アマゾンJP

今晩飲むお手軽ワイン

Dolcetto di Dogliani

ドルチェット・ディ・ドリアーニ

今晩家で飲む、お手頃で飲みやすいワインなら、ドルチェット。

バローロと同じピエモンテ州で育つブドウ品種、ドルチェット。その名前から、デザートワインのような甘いイメージがあって避ける人が多いですが、程よい渋みのあるバランスのいい赤ワインです。酸味はほとんどないので非常に飲みやすく、価格もリーズナブル。ネッビオーロと違って育てやすいブドウなので、「ついで」にドルチェットを作っているというプロデューサーが多い中、ドルチェットのみを使っているのがドリアーニ地区で、他のドルチェットよりもこだわりが感じられます。

おすすめワイン
Luigi Einaudi Dolcetto di Dogliani
ルイジ・エイナウディ ドルチェット・ディ・ドリアーニ
$16 (2014)     ¥2,730 (2014)
詳細:Wine Searcher  楽天

誕生日や記念日などのスペシャルな日に

Barolo

バローロ

「王のワイン、そしてワインの王」と称される、イタリアで最も偉大かつ最も有名なワインがバローロ。特別な日に開けるのに最適な華やかなワインです。

バローロは地名で、イタリア北部のピエモンテ州に位置しています。ネッビオーロ(Nebbiolo)というブドウ品種のみを使用し、最低38ヶ月熟成させることが定められているなど、厳しい規定があります。渋みが強めの、濃厚な味わいが特徴のワインです。

おすすめワイン
Renato Ratti Barolo Rocche dell’Annunziata
レナート・ラッティ バローロ ロッケ・デル・アヌンツィアータ
$104 (2015)     ¥15,400 (2015)
詳細:Wine Searcher  エノテカ

残念ながら誕生日でも記念日でもない(でもそんな気分)

Barbaresco

バルバレスコ

Langhe Nebbiolo

ランゲ・ネッビオーロ

スペシャルな日ではないけれど、でもバローロくらいスペシャルなワインを楽しみたい、というときには、バルバレスコを。

バルバレスコは、バローロからすぐ近くに位置するエリアで、バローロと同じくネッビオーロ種を100%使用した、バローロに限りなく近いワイン。バローロほどのブランド力がなく、バローロよりも規定が少しだけ緩いため、バローロよりも少々割安で手に入れることができます。

それでも、バローロもバルバレスコも、比較的定価で買える若いボトルは、飲み頃になるまで何年も待たなければいけないし、飲み頃のボトルを買うには値段が高い。そんなときにおすすめなのが、ランゲ・ネッビオーロ。バローロを含む広域で作られるネッビオーロを使ったワインで、熟成期間の規定もなく、若くても飲みやすいのが特徴です。

おすすめワイン
Produttori del Barbaresco Barbaresco Asili Riserva
プロデュットーリ・デル・バルバレスコ バルバレスコ アジリ リゼルヴァ
$67 (2013)     ¥6,798 (2014)
詳細:Wine Searcher  アマゾンJP
Produttori del Barbaresco Langhe Nebbiolo
プロデュットーリ・デル・バルバレスコ ランゲ・ネッビオーロ
$26 (2016)     ¥2,904 (2018)
詳細:Wine Searcher  楽天

最終的に迷ったらコレ

Ripasso

リパッソ

なんだかんだ言っても、結局よくわからないし、迷う。とにかく1つだけ選んで!というなら、リパッソを。

リパッソは、地名でもブドウの品種名でもありません。製法です。イタリアを代表する高級ワイン、アマローネの搾りかすを使って再発酵させるワインですが、どのリパッソを選んでも「美味しい!」と思える、魔法のようなワインです。価格も良心的なので、迷ったらリパッソを選んでみてください。

おすすめワイン
Zenato Ripassa Valpolicella Superiore
ゼナート リパッサ ヴァルポリチェッラ スペリオーレ
$35 (2008)     ¥3,960 (2015)
詳細:Wine Searcher  アマゾンJP