今年の1月に、GiorgioのレストランGiorgioneを閉店したことを報告しましたが、今となって考えてみると良いタイミングでした。1月と言えば新型コロナはまだほとんど中国内での確認のみで、それが数ヶ月にパンデミックへと発展し、私たちの生活が一転することになるとは微塵も思っていない頃でした。このEaterの記事では、コロナ後に閉店が決まったNYのレストランのリストを毎週アップデートしていますが、これによると既に市内で100店舗以上が苦渋の決断をしており、実際の数はもっと多いとみられています。

中には、80年の歴史を持つNYの名物ナイトクラブCopacabanaや、創業1873年の老舗バーThe Paris Caféなども含まれており、常連客や従業員にきちんとお別れの場を設けることができなかったのは、お店にとってもお客さんにとってもとても悲しいことだったと思います。先週月曜には再開フェーズ4に突入しましたが、店内飲食は延期されており、まだ目処が立っていません。

さて今日紹介するレシピはそのGiorgioneで夏の定番だったデザート、ローストピーチ、つまり焼き桃です。この時期になると、私やGiorgioに「もうローストピーチは始まった?」と連絡してくる常連さんや、このデザートだけを食べにくる方もいたほどの人気デザートでした。Giorgioneが閉店した際に私がレストランのレシピ集を引き継いだので、お気に入りだった料理をいくつか作っていますが、ローストピーチもその一つ。

もっと早くから作り方を教わっておけばよかったと思ったほど簡単で、かつ短時間で作れます。桃を半分に切って、アマレットと砂糖をかけ、火にかけてアルコールを飛ばし、最後にオーブンブロイラーでブロイルして完成、それだけです。分量の割合は少し調整しましたが、手順はもらったレシピそのままです。

まず桃は、生の状態で美味しいものを使ってください。やはり桃がおいしいほど仕上がりも美味しいです。ほどほどに熟しているもの、まだ少し硬さが残っているものの方が良いです。

次にアマレットですが、アマレットとはアーモンドやココナッツのような香りが特徴の杏仁リキュール。リキュールなので甘くて私は好きではありませんが、ローストピーチに使うと、ほんのり香りが残って絶妙な風味を出します。試してはいませんが、グラン・マルニエなどのオレンジ系リキュールでも違った風味が楽しめるかもしれません。また、こちらも試していませんが、リキュールの代わりにブランデーを使うと、より大人っぽい味に仕上げられそうです。

そして仕上げにオーブンブロイラー(上火)でローストして焼き目を入れるのですが、欧米に住んでいる方はほとんどのオーブンにブロイラーがついていると思いますが、日本では少ないと思うので、トースターでもできるか試しに作ってみました。できました!ので、トースターでの作り方も合わせて記載しています。

そして最後に忘れてはならないのが、マスカルポーネ。これを合わせるだけで3割増しで美味しくなります。もしマスカルポーネがなければ、ホイップクリームで。

ローストピーチは、焼き立ての熱々、室温まで冷ましたもの、また冷蔵庫で冷やしたもの、どの状態でもそれぞれ美味しく楽しめます。

ローストピーチとマスカルポーネ

2人分

INGREDIENTS

  • 2 peaches|桃 2個
  • 1/4 c Amaretto|アマレット 1/4カップ
  • 1/8 c sugar|砂糖 1/8カップ
  • Mascarpone|マスカルポーネ 適量

INSTRUCTIONS

下準備

  1. オーブンブロイラーをつけておく。

手順

  1. 桃を半分に切り、種をとる。
  2. スキレット鍋に、断面を上にして桃を並べる。
  3. 上からアマレットをかけ、砂糖を振りかける。
  4. 強火にかけ3分程度、アルコールを飛ばす。
  5. そのままオーブンに入れ、桃に焼き色がつくまで5〜10分ブロイルする。
  6. *トースターで焼く場合は、450°F(230℃)設定で15分ほど、桃に焼き色がつくまでトーストする。
  7. 熱いまま、室温、または冷やした状態で、マスカルポーネまたはホイップクリームと合わせてどうぞ。

[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]