11月も中旬となり、来週にはサンクスギビングを迎えます。家族や親戚が集まるアメリカの大切な祝日です。

この時期は1年で最も多くの人が移動するといわれていますが、アメリカ国内の1日のコロナウィルス新規感染者数が18万人を超える中、サンクスギビングでの集まりによるさらなる感染拡大が危惧されており、ニューヨークでも個人宅での集まりが10人以下に制限されることが発表されました。

さてサンクスギビングで出されるデザートといえばパイ。中でもアップルパイやパンプキンパイがホリデーシーズンの定番中の定番ですが、人気のパイは州によって違ってくるそうで、GEが2年前に行った調査結果が以下の図の通り。

Courtesy of GE

予想以上に多数を占めているのがパンプキンパイ。東海岸で人気なのがアップルパイで、そして南部に多いのがピーカンパイとのこと。我が家もサンクスギビングで焼くパイといえばこの3つのいずれかで、このどれかを食べないわけには、サンクスギビングを迎えた気がしません。

1年ほど前に、「アメリカンパイ生地の黄金比ができるまでのプロセスとレシピ」でパイ生地のレシピ、そしてその生地を使ったクラシックなアップルパイのレシピ「デルーカ家のアップルパイ」を紹介しました。リンゴの素材を最大限に楽しむには余分なものはいらない、という結論に至った我が家のアップルパイはこの上なくシンプルですが、時々冒険もしてみることもあり、また違った味わい方を楽しんでします。

そんな中、今年のサンクスギビングまでに新しいアップルパイを完成させようと意気込んで、そしてやっと出来上がったのが今日紹介するバルサミコ・アップルパイです。

バルサミコ酢は甘みがあるので、デザートの材料として使用されることは決して珍しくはありませんが、焼き菓子に使用されるのはあまり一般的ではなく、また主張が強い調味料ではあるので配合には特に気をつけました。

口に入れたときにパッと広がるバルサミコ酢の風味、そして噛みだすとそれがりんごの風味と入れ替わる感じがなんとも言えず美味しくて、大満足のイタリア風?アップルパイに仕上がりました。レシピの量よりもバルサミコ酢を増やすと、りんごの風味がバルサミコ酢のそれに負けてしまい、また逆にバルサミコ酢の量を減らしてしまうと、バルサミコ酢の風味がほとんどしなくなってしまうので、気をつけてください。

バルサミコ・アップルパイ

6.5インチ / 約16cmのパイ1つ(4〜6人分)

パイ生地レシピ:「アメリカンパイ生地の黄金比ができるまでのプロセスとレシピ

INGREDIENTS

  • パイ生地(上記リンク参照)

フィリング

  • 1 Granny Smith apple|グラニースミス 1個 (酸味が強く硬いリンゴ。1個200-250g程度が目安。)
  • 2 Gala/Fuji/Honeycrisp apples|ガラ、ふじ、またはハニークリスプ 2個 (甘みの強い硬いリンゴ。1個200-250g程度が目安。)
  • 1 tbsp. + 1 tsp. balsamic vinegar|バルサミコ酢 大さじ1と小さじ1
  • 1 tbsp. + 2 tsp. brown sugar|ブラウンシュガー 大さじ1と小さじ2
  • 1 tbsp. unsalted butter|無塩バター 大さじ1

仕上げ用

  • Egg|卵 適量
  • Demerara sugar|中ザラ糖/ザラメ 適量
  • Sea salt|シーソルト 適量

INSTRUCTIONS

下準備

  1. りんごを1〜1.5cm程度にスライスし、ボウルにバルサミコ酢大さじ1とブラウンシュガー大さじ1とあえて、最低2時間常温で置いておく。(または前日の夜にあえて、冷蔵庫で一晩置いておく。)
  2. オーブンは425F (218C)に予熱。

手順

  1. 冷やしてある生地の半分を引き延ばし、パイプレートの底に敷き、一旦冷やす。
  2. 上生地用のもう半分の生地も引き延ばし、冷やしておく。
  3. パイプレートに敷いた生地を取り出し、底に小麦粉を少しだけ敷き、水分をよく切ったりんごをできるだけ隙間のないように詰めていく。
  4. りんごの上からバルサミコ酢小さじ1とブラウンシュガー小さじ2をかけて、小さく角切りにしたバターを散りばめる。
  5. 上生地を取り出してパイの上に重ね、余分な生地を切り落とし、生地の端をぎゅっと抑えて上下生地を密着させる。
  6. 上生地に穴、またはカットを入れて空気穴を作り、冷凍庫で15分冷やす。
  7. 取り出し、上生地に溶いた卵を塗り、中ザラ糖をたっぷり振りかけ、シーソルトもひとつまみ振りかける。
  8. オーブンで、425F (218C) で15分、そして375F (190C)にさげてさらに45分焼いて完成。
  9. お好みでホイップクリームやアイスクリームとどうぞ。
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[Photos and styling by Hitomi Watanabe Deluca]